「What’s」(編集発行人 広瀬ちえみ)、「『What’s』創刊のごあいさつ」には、
(前略)川柳人だけでなく俳人も参加してくださいました。お互いのジャンルを斜めから眺めているより、ごちゃ混ぜの一冊になったら楽しいのではないかと思いました。
人生において「あれかこれか」の選択をしまければならないとき、私は決して熟慮の末ではなく、おもしろそうな方をを選んできました。会員のみなさんも(たぶん熟慮せずに)二つ返事で参加してくださいました。
とある。その他、エッセイには叶裕「瑞々しい終幕/『杜Ⅱ 杜人同人合同句集』を読む」、月波与生「『そら耳のつづき』を読んで」、兵頭全郎「はれときどき妄読」、広瀬ちえみ「『々々くん』って後ろから肩をたたいたら」がある。ともあれ、以下に、本誌より、一人一句を挙げておきたい。因みに、ブログタイトルにした句の樋口由紀子は招待作家である。
チンドン屋どうすることもできなくて 樋口由紀子
たましいのつまみどころを忘れた日 水本石華
今しか見ないからずっと目がきれい 竹井紫乙
老眼鏡で宝の地図は見えたかい 月波与生
会いましょうわたしを消してあなたを消して 佐藤みさ子
爽やかや何枚も空剥がされて 川村研治
なんのはずみか十五夜は上機嫌 妹尾 凛
溺れてはいけない澄んだ水などに 鈴木節子
年寄を楽しむ死ぬのも楽しみ 中内火星
もういいか死立て直しがききません 鈴木せつ子
たいへんな局面どこいった蓋は 浮 千草
かわせみの垂直という方法 野間幸恵
新型コロナ暖房器具ではありません 鈴木逸志
体のなかの音組み立ててから起きる 加藤久子
しょうこりもなくそうぞうをうらがえす 兵頭全郎
夏休み 朝顔日記はじまりぬ 高橋かづき
秋だわね総理が何と言おうとも 広瀬ちえみ
ゑのころや尻に敷きたる求人誌 叶 裕
撮影・中西ひろ美「友だちとふざけてもみた冬隣」↑