2013年12月21日土曜日

「大地」金里博と上谷耕造・・・


「大地」54号(檀紀4346[西暦2013] 年・冬、発行所、在日韓国文人協会)が送られてきた。編集人・金里博(キム・リバク)氏から恵送されている。雑誌の中はほとんどがハングルで書かれているので、愚生はお手上げである。中に日本語訳がある詩篇については読むことが出来る。
今号では伊東柱詩集「空と風と星と詩」(翻訳・上野都)が掲載されている。伊東柱(ユン・ドンジュ)は現代韓国でもっとも愛されているキリスト教詩人だという。同志社大学在学中に治安維持法違反に問われ、1945年2月16日、福岡刑務所で獄死した。享年29。「空と風と星と詩」は遺稿詩集である。
金里博氏とは不思議な縁で「豈」41号に特別寄稿として「『時調』について」を執筆していただいた。
「時調(シジョ)」は、韓国の定型詩で、日本の短歌に似ていて、今は裾野も広がり、「時調集」の出版も活発なのだそうである。
「豈」への寄稿によると「海外では『現代三行詩』として在留国国語での『時調』創作が英語俳句や韓国語俳句のように創作されてもいる。韓国では数年前に『國際定型詩学会」が結成されている」という。
前に述べた不思議な縁とは氏の住んでおられる近くに愚生の学生時代からの長年の友人である上谷耕造八幡市議会議員の応援を氏にしていただいていたことである。
上谷氏は愚生より二歳年下、途中から社会党を脱して市民派無党派として、一貫して政治に関わってきた男だった。一昨年志半ばで癌に斃れた。八幡市では自宅を解放した「八幡まるごと館」から「市民の元気しんぶん」を死の直前まで発行し続けた。
その同じ市に俳人・妹尾健氏も居て、愚生がたまたま入洛したときに、妹尾健と一緒に上谷氏を訪ねたのが永の別れの数ヶ月前であった。だいぶ痩せてはいたが、余命を知りながら、なお泰然自若とした風姿は昔と変わらず、社会の現状への志を述べて倦まなかった。
             
             サザンカ(シャンソネット)↓

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