2014年4月13日日曜日
三橋敏雄「原子力発電やまずシャンデリア」・・・
「弦」第37号(弦楽社・2014,4.10遠山陽子編集発行)に「三橋敏雄『しだらでん』以後の全作品」が掲載されている。
遠山陽子は「本来、遺句集として発表されるべきもの、或いは全句集を編み、そこに収載されるべき句群であろう。しかし、種々の事情により遺句集・全句集の発刊が遅れている現在、敏雄の資料をすべて見たいと思う人々のために、取り敢えず今ここに、それらを纏めて記載しておきたいと思う」と言う。
総句数は237句。『しだらでん』(沖積舎・平成8年11月)以後、三橋敏雄の死去平成13年12月1日まで、5年間の作品である。
その作品の中から20句ほどに遠山陽子は小感を書いている。その一つが「原子力発電やまずシャンデリア」(平成9年7月・「現代俳句」)の句である。同時作に「生まれ合ふ五月蠅(さばえ)や見えぬ核汚染」があり、「平成二十三年フクシマ原発事故以後なら、このような作品はは珍しくない。しかしこれは、原発安全神話がまかり通っていた頃の作である。敏雄の予知性、予言性の確かさに驚く。(中略)何故、政府は原子力発電を推し進めようとするのかという、国民の素朴な思いを、敏雄は十数年前に既に、シャンデリアに象徴させて詠んでいる」(遠山陽子)のだ。高屋窓秋の予見性とも相通じる認識である。
フクシマを敏雄は知らず敏雄の忌 陽子
被爆地の夜夜をひとだま弱り絶ゆ 敏雄
天日や水の地球に深海魚
麦秋や空港沈みたるままに
長き長き戦中戦後大桜
三橋敏雄は平成11年以後は俳壇各誌への作品を発表しないことを宣言する。従って以後は句会中心にまとめてある。
身体髪膚以て我あり夏霞
君と行くわがたましひや夏の果(富沢松雄の辞世句への返句)
寝ては起き歩き駆け坐し去年今年
山に金太郎野に金次郎予は昼寝(辞世句)
ヒトリシズカ↓
*閑話休題
愚生は今朝、府中市の多摩川清掃ボランティアにシルバー人材センター会員として参加。愚生らは約100人ほどだったが、府中市の他の各団体青少年少女の元気いっぱいの皆んながすでに通り過ぎたあとだったのか、拾うべきゴミも少なく、さながら散歩の趣だった。
天候にも恵まれ、終了後に近くの府中市郷土の森博物館に初めて入った。プラネタリウムも併設されているが、なんといっても東京ドームの三倍の広さというその庭には、四季折々の植物(いまは、菜の花の盛り・・)はもちろん、郷土の詩人として、村野四郎記念館や移築された昔の建物など、郷愁をさそう藁葺家などがあった。
入場料は200円(府中市民は100円らしい)。吟行も可能かな・・・
ぶん ぶん ぶん 村野四郎
はちが とぶ
おいけの まわりに
のばらが さいたよ
ぶん ぶん ぶん
はちが とぶ
ハナノキ↓
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