「鷹」の毎号のグラビアページに、「現代俳人列伝」がある。今回の杉本零(すぎもと・ぜろ)で連載191回目である。愚生が毎号楽しみにしているページだ。単純に計算しても約16年続いていることになる。迂闊にも筆者に注意を払わなかったので、恐縮だが、現在は、髙柳克弘の執筆である。
当該俳人の写真と、代表句と思しき作品が12句、俳人の略歴が記されている。そのモノクロの写真だが、昔のものとなると、なかなかに肌理が粗くて、それが一層懐かしさを誘うから不思議だ。それにしても、昔の俳人は、俳句に対して真正面に向かっている印象があって、心持ちがいい。杉本零には「情感ある写生句」という題が付されている。
杉本零、昭和7年11月23日~昭和63年2月21日、東京生まれ。
シグナルが青くて青い春の雪 零
大好きな苺ケーキの苺にキス
いつまでも一つ年上紺浴衣
落ちてゐる紙に文字ある枯野かな
以下は「鷹・日光集」から一人一句、高齢の方々も健在。
夜桜へ誘ふ悪女ももう来ない 星野石雀
春暑しソープランドの排気口 布施伊夜子
人間らしく紅梅の土踏みゐたり 細谷ふみを
聞こえねば笑み返しけり春ともし 山本良明
吉事(よごと)
呼ぶごとく蝌蚪の揺るるかな 奥坂まや
タイサンボク↑
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