鳴戸奈菜句集『文様』(角川書店)。「あとがき」に言う。
句集名の『文様』とは模様を意味する。「文」一字にも模様の意味があるが、これを知ったとき、そうか、面白い、いつか句集名にしたいと思っていた。なぜなら季語は別格として、五・七・五の言葉はそれぞれの意味、及び視覚的聴覚的効果が結集してこの世の模様(有様)を形成するのではないか、と思うからである。
『文様』の装幀もなかなかいい。装幀者は三宅政吉。鳴戸奈菜が2011年から2015年の五年間の作品を収める第七句集。日常的な所作のなかに日常的な感懐をほどよくほどこした句群は、その自在さをこれまで以上に加えているようだ。以前の硬さは薄らいでいる。
師は永田耕衣。その力技の境地を、長い晩年の月日を鳴戸奈菜は追いかけるていくかも知れない。
ともあれ、いくつかを以下に挙げておこう。
昼のあと夕暮れとなり盆踊り 奈菜
春ショール母の白髪jか抓み捨つ
水中花ひとつ気泡を吐いて静か
この星のいのちいつまで星祭
わたくしは我を不仲で桜の昼
ゴリラよりゴリラのごときゴリラで春
いずれくる人類忌いま花の宴
紅(くれない)
という闇の色曼珠沙華
秋風を眺めておりぬひとりひとり
鳴戸奈菜、1943年、旧朝鮮京城生まれ。「らん」発行人。
フウセンカズラ↑
今ではすっかり介護保険のお世話になっている平です。ブログを始めました。今までのブログや掲示板はすべて消しました。アドレスは下記です。コメントを書いてください。よろしくお願いいたします。
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ご無沙汰しています。
削除貴兄ブログ覗きましたよ。
平調は健在でした。
暑さの折り、ご自愛下さい。
大井 拝
平です。
返信削除コメント深謝いたします。でも記事の場所が…。
拙ブログで大井さんのブログアドレスをご紹介させていただきました。
では、今後とも宜しくお願いいたします。