「ペガサス」(代表・羽村美和子)創刊号の「創刊の言葉」には、
俳句同人誌『ペガサス』は、個性や表現の自由を尊重し、互いに研鑽し合う場とする。おもねることのない一句を創造し、新しい俳句文芸の一歩とする。
ギリシャ神話によると、ペガサスは最高神ゼウスのために雷霆を運び、蹄で地を蹴って多くの泉を噴出させたという。私達の俳句も、時には雷霆のごとく、時には泉のごとく、そして何よりも自由に翼を羽ばたかせるごとくありたいと願う。
とある。同人の中には「豈」同人の羽村美和子と中村冬美がいる。「像」(高井泉主宰)終刊ののち、約20年間、粘り強く句会を続けられてきたようである。まずは新しい門出を寿ぎたい。それについて中村冬美は、
今でも忘れられない先師高井泉の「この句は日記の端にでも書いておきなさい」の一言と、羽村代表の「俳句にも詩情が感じられなくては」を二本の柱として、微力ながら頑張ってまいりたいと思います。
と記している。一句献上!
ペガサスの翔ばんと春の盛りなり 恒行
ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
鬼やらい出口のようで入口で 浅野文子
東京メトロ地上を走り神の留守 篠田京子
悴んで白紙いつまでも白紙 瀬戸優理子
知るや君雪に呼吸のありしこと 高畠葉子
天上大風休耕の畦青む 徳吉洋二郎
縄梯子のぼる端から消えてゆく 中村冬美
自由と銃からみ合ってる烏瓜 羽村美和子
落日にまっすぐ枯れて「く」と曲がる 樋口博徳
撮影・葛城綾呂 ツツジ↑
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