2018年7月25日水曜日

「安保粉砕 反米反基地 琉球独立」(豊里友行写真集『おきなわ 辺野古』より)・・



豊里友行写真集『おきなわ 辺野古ー怒り・抵抗・希望』(沖縄書房・本体1000円)、その「あとがき」に、

 こなんして生きていていいのかねーというのに、私の祖父は、この戦争が終わったらどんな良い時代が来るかもしれないからと(赤子の母子)生かしておきなさいと逃げ回って生き延びた。(中略)
 これからも私は、この著書のおける沖縄の不条理と非暴力の民衆の抵抗を写真と文章に綴りながら歴史証言として記録しつづけたい。
 そして私は、この辺野古語りの民衆の抵抗の写真記録を沖縄の未来を紡ぐための希望の光として歩んでいきたい。

 とその志が記されている。彼の恩師は樋口健二だとも書かれている。愚生の棚には、数年前の断捨離から逃れた一冊、樋口健二『売れない写真家になるには』(八月書館・1989年刊新装版)が残されている(第一版1883年刊)。



 思えば、15年近く前になるだろうか。愚生は沖縄平和行進に参加し、その折、一部別行動で、高江のヘリパッドの座り込み(まだオスプレイは配備されていなかった)、辺野古の座り込み(まだ工事は行われていなかった)、などに短時間だが参加したことがある。その時、思ったことは、ここには本土とは明らかに違う風が吹いている。それも愚生が少年だったころの、進駐軍(と呼んでいた)がいたころの景色に近かった。


          「日本カメラ」2017年11月号の記事↑

 つい先日、豊里友行写真集を恵まれる直前の眼科で診察待ちの時に、ふと手にとった「日本カメラ」に豊里友行「国内プロの部 さがみはら写真新人奨励賞」に掲載された記事を読んだのだった。それは「オキナワンブルー」というタイトルだった。その中に、愚生が辺野古で見た独特な形の有刺鉄線(刺さると抜けにくい)の写真(2004年)があった。



 もう一冊『南風の根(ふぇーぬにぃー)』(沖縄書房、2017年)の帯には、師である樋口健二の「沖縄の本質に迫るにはまだ、道なかば、今後に期待!!」と檄が飛んでいる。        その豊里友行は気鋭の俳人でもある。『新撰21』(邑書林・2009年)では、先日、朝日俳壇新選者に就任した、これも気鋭の俳人・高山れおなが以下のようにエールを送っている。

  豊里の現在の師である金子兜太の〈縄とびの純潔の額を組織すべし〉〈ガスタンクが夜の目標メーデー来る〉〈湾曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン〉といった句々が、公式言語的でありつつそれを逸脱する魅力を持ち得ているのと同じことが、豊里の場合も成功作に関しては言えるようだ。
 基地背負う牛の背朝日煙り行く     友行
 お互い、牛のように進んで行きましょう!

 いよいよ、君らの世代の時代が来つつある。心して闘おう!!


 豊里友行(とよざと・ともゆき)、1976年、沖縄市生まれ。



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