昨日、1月27日(日)は、例隔月の最終土曜日ではなく、会場の確保の都合によって、翌日の日曜日になった。ひときわ冷えのまさる一日だった。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
改元や天仙・地仙・水仙花 早瀬恵子
狐火のひとつが乗り物めいて来る 吉田香津代
明日まで冬の旅する忘れ物 小湊こぎく
ゲバルトやボトルキープの日付あり 猫 翁
春を待て黄色い線の内側で 渕上信子
靨(えくぼ)ってこんな字なのね久女の忌 笠原タカ子
薪に芽だった全共闘のかなた 川名つぎお
枯芙蓉百年死んでいるつもり 羽村美和子
七草を見分けることもなく粥へ 伊藤左知子
もがり笛風を結ぶに葉を落とす 大井恒行
★閑話休題・・竹下しづの女「たゞならぬ世に待たれ居て卒業す」(『竹下しづの女』より)・・
坂本宮尾著『竹下しづの女ー理性と母性の俳人/1887-1951』(藤原書店)。大冊の著書でいまだ読了するに至っていないのだけれど、丹念に資料を掘り起こし、存命だったしづの女の次男・健次郎、三女・淑子にも協力してもらい、これまで明らかになっている資料による事実の齟齬についてもよく言及している。端的に一例を挙げると「しづの女」の本名が、これまでは「静廼(しずの)」とあるとされきたが、「シヅノ」であることを突き止めている。また生年も一年違っているという。従って正しくは1887年(明治20)3月19日であり、生地は福岡県京都郡大字中川(現、行橋市)171番地である。今後、竹下しづの女について書かれる評伝が出てくるとしたら、本著を避けて通ることはできないだろう。
緑陰や矢を獲てはなる白き的 しづの女
短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎(すてちまをか)
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