「垂人」37(編集・発行 中西ひろ美、広瀬ちえみ)、毎号なかなかの充実ぶりだが、今号では、佛渕雀羅「町田市市民連句大会パネルデスカッション『連句はどこへ』(一)企画者の一人として」を、愚生は門外漢なので気楽に面白く読ませてもらった。その報告のなかで、中西ひろ美が挙げていたのが、ブログタイトルにした青鞋の「うかんむりそらを見乍ら散歩する」の句である。
町田市文学館の活動の柱の一つとして、江戸時代に町田にいた俳諧師、五十嵐梅夫・浜藻にちなんで、連句の普及活動があるという。
開館後も、町田連句を楽しむ会や季語研究会のお力添えで、「市民連句大会」や「連句入門講座」を毎年開催し、連句通信「風時計」を毎月発行するなど、館としてもそれなりに活動を重ねてきました。その結果、連句の会に参加するメンバーも、少しずつですが増えています。
とあった。そして、末尾あたりに、
(前略)この大会を「季語研究会会報」第一七二号にリポートされている浅賀丁那氏は、現在の連句界に連句批評の場が乏しいことを書いています。(中略)
穏やかな書きぶりですが、批評が育っていない現代連句の実情は深刻です。このことにしっかり向き合うことも又現代連句の課題といえます。
とも記されている。ともあれ、以下に同号よりの一人一句を挙げておこう。
おしくらまんぢゆうみんな叫んでゐたりけり 川村研治
梟の森よりもどるブーメラン ますだかも
かすかではあるが香りに希望あり 高橋かづき
冬長し追い込まれゆく水たまり 野口 裕
となり家へゲームしようと上がり込む 中西ひろ美
時計台千年紀(ミレニアム)さへ二昔 渡辺信明
サモトラケのニケの首あり穴惑い 坂間恒子
花だよりおふくろさまをリヤカーに 鈴木純一
レノンの忌盗んだ恋のつかい道 中内火星
みしみしとしているところまた泣かす 広瀬ちえみ
撮影・鈴木純一「向きかへて二日の桃のひらくとか」↑
0 件のコメント:
コメントを投稿