四月三十日 木曜日
自転車でゆく君子蘭にほかならず 安井浩司
西方からきて蝦夷菊に終る人
朝雨 午後雨
*「『牛尾心抄』四十年後への剽窃譚」・・・
4月30日 (木)
君子危うきに遊ぶを乗るは二輪車 大井恒行
たどり着くアスターやあきたびと
朝晴 午後晴
漸く、満尾である。50日、1日2句、合計100句。安井浩司の第6句集『牛尾心抄』(端渓社・昭和56年刊)に倣い、この剽窃すべき元句がなければ、愚生の作句行為は続かなかっただろう。当時の安井浩司は45歳、現在の愚生は71歳。当初は気楽に始めた「『牛尾心抄』四十年後への剽窃譚」であったが、途中はそれなりに楽しく、終わりに近づくにつれ、緊張感が強くなった。それとて、しっかりした理由がつかめているわけではない。とにかくホッとしている(何しろ安井浩司には内緒の行為である)。偶然にも、当時と現在、日々の曜日も同じだった。しかし、同月同日同曜なれど、安井浩司は東北秋田に盤踞し、愚生は武蔵野は府中に蟄居、日日に記された気候の差異は歴然だった。当地が桜散る時期も秋田ではまだ雪が舞っていた。それでも当地に、雪月花の日があったのは些かの慰めではあったろう。
思えば、『牛尾心抄』が刊行された1981(昭和56)年は、世界でエイズによる肺炎が最初に発生した年であった。今日、何かの符号のように新型コロナウイルス(コビット19)の脅威にさらされている。因縁はある。
撮影・芽夢野うのき「行く春のかの木かの鳥ひかり編む」↑
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