「猫町」NO.1/5月号(発行人:三宅やよい)、NO.1だから創刊号には違いないが、それらしい言葉も何もない。唯一、表紙裏に萩原朔太郎『猫町』よりの「
私は昔子供の時、壁にかけた額の絵を見て、/いつも熱心に考え続けた。(以下略)」の数行が献辞されている。10名ほどの同人での出発であろうか。坪内稔典の巻尾の5句は特別扱いだろう。 基本は各人の句とエッセイで、各人に見開き2ページを自由に使えという構成である。とはいえ、中に、創刊号らしい言葉を近江文代は、
猫町(necomachi)ついに創刊!それにしても、何というスタートだ。書きたくはないが書いておこう。(中略)
これが遺作にならぬよう、しっかりと生き抜いていこう。
と書きつけている。ともあれ、以下に、愚生好みになるが、一人一句を挙げておこう。
春愁の猫町からのお引越し 赤石 忍
春うらら濃厚接触まで三歩 今泉秀隆
朧月もう口開けて泣きましょう 近江文代
分断の壁の隙間のホッカイロ 沈 脱
長嶋茂雄春夏秋冬桜咲く ねじめ正一
永き日の水につかっている昆布 藤田 俊
げんげ田を鴉の声で走り出す 三宅やよい
一番に教室を出て卒業す 諸星千綾
空に頭ぶっつけたい日のブランコよ 山崎 垂
永田町二丁目三丁目ちんちろりん 芳野ヒロユキ
行く春の黒猫の目にゆきあたる 坪内稔典
撮影・芽夢野うのき「はつなつの花白くつむ幻舟よ」↑
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