「俳句新空間」第14号(発行人 筑紫磐井・佐藤りえ)、特集は「北川美美追悼記」、最初に、
北川美美さんが令和3年1月14日、亡くなられました。享年57。
平成21年「豈」に入会。平成26年「俳句新空間」(発行所 北川・筑紫)を創刊。「皐月句会」発足にも尽力されました。お知り合いの方々から言葉を寄せていただきました。
とある。寄稿は、長嶺千晶「北川美美さんのご逝去を悼み」、神谷波「無題」、仲寒蟬「北川美美さんのこと」、松下カロ「きさらぎの鳥」、青木百舌鳥「美美さん」、中山奈々「踊り字じゃないのよ」、佐藤りえ「北川さんのこと」。また、もてきまり「前号作品鑑賞」では、追悼の意を表しながら〈縦半分の東京タワー西日中〉〈真下より蔽い被さる蟬時雨〉北川美美を引用されている。確か虎ノ門病院に入院されていた時期もあったが、歳晩は、故郷の緩和ケア施設におられように聞いている。愚生の本ブログ「大井恒行の日日彼是」も、蟄居状態の愚生に、何か書けと、筑紫磐井に慫慂され、北川美美が万端整え、作ってくれた。パソコン操作に基本的に疎い愚生に、携帯電話の向う側から、指示してもらい、とにかく、愚生が自分自身で、気が向いたときにブログをアップできるようにしていただいた。従って、ブログ画面のレイアウトなども当初から全く変更されていない(何しろ愚生には変えるなどという技術が無いのだから・・)。合掌。
ともあれ、以下に「新春帖」(新作20句)より、「豈」同人のみになるが一人一句を挙げておきたい(北川美美「きたがわ・びび」の句み編集後記より)。
北里は花明かり憂し折笠忌 福田葉子
磯焚火ごうとほむらの哭きにけり 中島 進
望楼へ手すり冷たき梯子段 渕上信子
マスクしたまま唇はさよならバカ殿忌 夏木 久
うつし世のゆがんで爆ぜり石鹸玉 五島高資
ゲリラ豪雨橋はよろこび裏返る 加藤知子
朝凪ぐや受難のときはいつもそう 真矢ひろみ
白鳥が象を夢みる水かゞみ 井口時男
なめくじや生きる嘔吐を繰り返す 坂間恒子
点々と家点々と花桃 神谷 波
さびしくて葱ごと夜を抜いている なつはづき
逃水のとびらは閉めてきましたね 堀本 吟
山桜鳥居をくぐる鬼女童女 田中葉月
僕たちのオリムピックがなかつた夏 筑紫磐井
煮るものは水ばかりなる遅日かな 佐藤りえ
鉢合わせの去年の御慶誰も来ず 北川美美
撮影・鈴木純一「時間なのでヒルガオはここでおしまい」↑
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