2014年1月1日水曜日
駄馬もまた春野を恋えり年新た(大井恒行)・・・
新年明けましておめでとう御座います。
本年もよろしくお願いいたします。
とにもかくにも、健康が一番の年齢になってきたようです(苦笑・・)。
年の初めは昨年に引き続き、今は懐かしい、珍しい雑誌の紹介をしておきたい。
というのも、昨年末近く、文學の森「俳句界」を退社して、時間が少し出来たのを幸?に、
かの稲垣足穂にならって、机代わりの林檎箱の机上に、文庫本を一冊置いておくような生活をしたい・・とふと洩らしたのを、山の神は聞き逃さず、本、雑誌の整理を命じられ、断捨離を断行しなさいということになってしまった(あの世に行くまでは身奇麗にというわけで)。
実は3年前、娘の家に、家事全権依詫係りに招致せられ(今年は手にアカギレをつくり)、そのまま引越しの箱の底に眠っていたのを引き出してみたら、一度は公開して、懐かしんでからでも遅くはない書誌が出てきたのを幸い、当面は処分延期にしようと思いとどまったものたちというわけなのである。
で、今回は「T’eRRA」(eの上に横三角の記号が付いています)。
「T’eRRA」(HAIC CONTEMPORANEA DEL MUNDO)創刊号は、奥付けによると1992年1月31日、頒価800円、年2回刊。発行人は阿部九鬼男。別号は黄山房(目黒烏森)。
同人は10人ほど。
山茶花散る時間差で散る 秋田博子
吹越や玻璃に見えざる罅ひとつ 阿部娘子
テロ跡を抱卵の鳥が見ている 小南千賀子
れんげ色にけむり立つ野の香炉 篠原妙子
捨て長靴孵化しはじめる動物園 西口美江
土耳古柘榴爆ずまだあたたかき頭蓋 秦 規子
天馬と駆けるどこまでも風邪熱あり 松本芙紀
天空へは縦に抜け出すよりないか 山岡愛子
破れ旗をスピルバーグが具象する 山口可久実
ほんとに水も売るひとの満艦師に
非史は旅人に百年超の水売りに 阿部鬼九男
文章は阿部九男の「烏森雑記」が主だが、かつては「からすもりつうしん」、現在は「とよがおかつうしん」という棲家地の名をとったはがき通信を出し続けている。そのはがき通信の文字は聖書と同じ大きさというが、表裏にびっしり書かれた内容は、阿部鬼九男の博覧ぶりがうかがえる古今の歴史、音楽、文學、オペラ、絵画におよぶまで、不定期とはいえ、多いときには週刊のペースにもなるもので、もし単行本に仕立てなおしたなら、相当の巻数に及ぶと思われる濃い内容の通信である。
残り少なくなった西東三鬼最晩年、加藤かけいの弟子の生き残りであり、西洋料理のコースから、ジャンクな食べ物まで、いくたび手料理のお世話になったことか・・・、84歳の元気盛りである。
ハナヤツデ↓
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