2014年10月22日水曜日
冨士田元彦のこと「石神井書林目録」94号・・・
知人から、参考にと送られてきた「石神井書林目録」(94号・2014-10)は小特集「荒野への出撃―現代短歌と冨士田元彦」だった。
そうだった・・いつだったか、すっかり失念していたが、年賀状の返信に訃報の知らせの葉書をいただいたことを思いおこした(愚生には急だった・・・なァ)。
愚生が今は無き弘栄堂書店に勤務していた頃、冨士田元彦はたまに店に立ち寄って、傍にあった喫茶店でお茶を呑んだりした。
愚生が俳句をやっていたのを知っていたからだが、彼が編集発行していた映像+現代短歌「雁」をたまにもとめていたこともあろうし、その縁で雁書館から歌集を出したいという人を紹介したこともあった。。先日、その雑誌も整理してしまって手元にはもうない。
映画評論にも健筆をふるっておられた。
雁書館の出版物は現代短歌が主流であったが、取次会社を通さず、直接取引のあるごく少数の書店のみで扱われていた。
今回の目録では塚本邦雄の書簡葉書(冨士田元彦宛)一括で324000円とあった。塚本邦雄は筆まめだったらしく、いつだったか高柳重信宛ての書簡・葉書を福田葉子(重信・中村苑子を最後までお世話していた)から見せてもらったことがある(たぶん、今は娘の高柳蕗子に・・)。
ほかにも冨士田元彦宛の署名入りで塚本邦雄『緑色研究』、塚本邦雄自筆歌稿、寺山修司『田園に死す』・『血は立ったまま眠っている』、岸上大作冨士田元彦宛葉書書簡・『意志表示』、前登志夫書簡・葉書、詩集『宇宙駅』・自筆歌原稿、春日井建、福島泰樹、河野裕子、山中智恵子、村木道彦、若山牧水、中井英夫自筆草稿「浜田到小論」などなど、興味深いものばかりが写真入りで載っている。その雁書館立ち上げの芳名帖に中井英夫は次のように記していた。
雁と冨士田元彦のために
雁映る富士の高嶺に似て高らかに 持つべき友は ひとの声する
中井英夫
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