加藤国子句集『能面』(角川書店)の掲出の句には、「長崎」の前書が付されている。奇しくも今年は被爆70年、敗戦70年の節目の年で、ジャーナリズムや俳句総合誌などの8月号はすべてと言ってよいほど戦後70年特集であった。
ところで、著者加藤国子は愛知県の県立高校の国語教師であるという。寺島初巳の序に「『俳句甲子園』に幸田高校を初出場に導いた」とあったので、そういえば、愚生が現代俳句協会のジュニア俳句祭に参加した折に、幸田高校の生徒たちの作品が、他の投句に比べると、出来の良い完成された句が多かったという記憶がよみがえったのである。また、生徒たちが、句の感想を述べる姿にも、まったく臆していない印象があったのは、どうやら加藤先生の指導の賜物だったのかも知れない。
今年も、現代俳句協会の第12回ジュニア俳句祭は来たる9月13日(日)に江東区教育センターで開催される。
以下に、句集からいくつか挙げておこう。因みに句集の帯文は中原道夫。引用された句は「
小手毬
の土塊に今触れてゐる 国子」。
名も知らぬ鳥は真白く凍てしごと 国子
天国につながる塔や冬畳
筋書きの変はらぬ村の祭かな
更衣新任教師声高に
長崎
原爆の碑に触れて来る夏の雨
王子駅 北とぴあ前↑
ムカゴ↑
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