2016年5月30日月曜日
片山由美子「アルプスの嶺を映して植田かな」(『昨日の花 今日の花』)・・・
片山由美子俳句日記2015『昨日の花 今日の花』(ふらんす堂)の本日、昨年の5月30日(土)の句が掲句である。以下のように書かれている。
五月三十日(土) 【季語=植田】
「狩」の恒例の勉強会、「狩くらべ」で長野県の白馬村へ。雪を残す白馬三山が目の前に迫る絶景。こあたりはまだ田植えが終わったばかりのところが多い。
アルプスの嶺を映して植田かな
という具合だが、愚生もたまには病院に検査に行かねばならない事情が出来て、気楽に読めると思ってバックに入れ、待合の間に、読ませてもらった。片山由美子は、愚生の若いころから、それなりに知っているつもりだったが、この日記によって、随分、いろいろ彼女の知られ笊一面を知ることができて、楽しかった。
例えば、なかなかの大相撲ファンだったり、愚生と同じく、鰻が食べられなかったり、フラメンコや書道にも励んでいるらしいこと等々。音楽会にも相当通い詰めているらしいこと。もちろん健康管理にも心を砕いてきちんと検査を怠っていないことなど、忙しいスケジュールをこなして行くには、まさに体力勝負のようなところがあるが、ワタシ低血圧症なのよ・・・、と可愛いことも仰っている。
それにしても、愚生とは全く違う階級にあるらしく、それなりに優雅な暮らしぶりであるというこも知れた。
とはいうものの、あれもこれもどうやら俳句のために賭している日常なのであろうと推測する。
健勝を祈るばかりだ。確か『昨日の花』は日野草城だったとおもうが、片山由美子は「今日の花」も加えている。ちなみに書名ともなったその句は9月14日、
けふの花昨日の花や醉芙蓉 由美子
以下にいくつかの句を挙げておこう。
抱かれて大根は重さ増しにけり (おおねと言うと、なにやらゆかしいものに思えてくる)
姉妹の名惠子由美子や昭和の日
真昼間の時を盗みて青蜥蜴
丑の日や鰻ぎらひを通しけり
三日とはもたぬ天気や九月場所
0 件のコメント:
コメントを投稿