2016年10月1日土曜日
森英利「雁かえるぢいちゃんは天皇陛下の赤子(せきし)と言われて征った」(「夢座」173号)・・
「夢座」代表で世話人だった療養中の椎名陽子、そのパートナーの市川恂々(現在は関西に転居されている)から、新代表の渡邊樹音、編集・銀畑二体制に移行し、2冊目の「夢座」173号(「夢座」東京事務局)が発行された。「夢座」再建への過程は、新同人を迎えてとりあえず順調のようだ。
ブログタイトルに挙げた、森英利「雁かえるぢいちゃんは天皇陛下の赤子(せきし)と言われて征った」は、自由律句であるが、作者はご高齢のようだが、題材は新しいし、他の作品の定型感はしっかりしている。他にも、
螇蚸(ばった)とぶ「きゃりーぱみゅぱみゅ」と鳴けますか 英利
の句があった。
また、表紙に置かれた句は、
緑風や漣たてばふいにやむ
作者名はなかったが、どうやら同人の鴨川らーらの「涼風や漣たてばふいにやむ」が原句らしい。
巻頭のエッセイは城名景琳「季のことば」は連載38回目。前172号の作品評は、愚生。書評には、佐藤榮市による照井三余句集『七草の孤心』評が掲載されている。
ともあれ、以下は森英利を除く一人一句。
緑蔭に供花一つなく眠りたる 大田 薫
理髪店出るたちまちに月見草 佐藤榮市
汗の重さに渡された日銭 照井三余
翼めく旅立ちの日の夏帽子 渡邉樹音
味方まだ集まり遅し震災忌 城名景琳
草野球シロツメクサも守備なれば 江良純雄
斑猫をはべらせているわけじゃない 鴨川らーら
小鮑の命を剥いで島焼酎 金田 洌
SEALDsつてどこの芸人ねじり花 鹿又英一
谷中根津なにも千駄木やかなけり 銀 畑二
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