「ジャム・セッション」第10号(2016年12月28日発行・非売品)は、江里昭彦の個人誌である。従って、小冊子ながら、誌面は隅から隅まで江里昭彦の姿勢、思考に貫かれている。「あとがき」には、
●「現代化学」という老舗の専門誌がある〔版元は東京化学同人〕。今年の11月号に、相棒の手記「当事者が初めて明かすサリン事件の一つの真相」が掲載された。(中略)
学術語はそれほど出てこないし、理解しやすい文章なので、一読をお薦めしたい。
とあった。また、今号でもっとも興味深く読んだのは江里昭彦「
大阪府警機動隊員の『土人』発言について(前)」である。あるいは、また「沖縄新報」を購読することになった経緯を「あとがき」に書いているのだが、その紙面から読み取れる沖縄の現状を分析する視点には多く教えられた。
その結びには以下のように記されてある。
●基地問題で安倍政権と正面から対決する沖縄が、ゆきづまり、うろたえ、疲弊していると見るのは、とんでもない誤りだ。
人口増加と、好調な経済と、海外移民とのネットワークに支えられた活気と強気とが、現在の沖縄を特徴づけている。
ともあれ、以下に今号の俳句作品を挙げておこう。
大虚(おおぞら)
のヤマト運輸はずぶ濡れで 後藤貴子
大西日 千二百秒母と会い 中川智正
神無月 腐乱はげしき神もいて 江里昭彦
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