2017年12月12日火曜日
池田澄子「人類の旬の土偶のおっぱいよ」(『俳句ひらく』より)・・
現代俳句協会創立70周年記念・現代俳人の筆跡『俳句ひらく』(現代俳句協会・3000円)、現代俳句協会会長・宮坂静生は「まえがき」で、本書の筆墨集について、
現代俳句協会歴代会長、現代俳句協会賞受賞者、現代俳句大賞受賞者(現代俳句協会大賞含む)の筆跡に、俳人コラージュのページなどを盛り込み、目から楽しむ宝物として、長く座右に置けるものにしたい。
石川九楊のことばを藉(か)りると、書とは筆触(ひっしょく)である。「筆記具の先端が接触し、摩擦し、離脱する劇(ドラマ)(「日本語とはどういう言語か」)である。
と記している。色紙、短冊類、また愛用品などを写真に収めてあるが、現在なお活躍中の俳人の受賞者には、「私がこれから目指す俳句」のコメントが入っている。皆さんそれなりの年齢を重ねているので、自らの身に沿った言葉が刻まれている。ブログタイトルにあげた池田澄子は、記念すべき平成元年度、第36回現代俳句協会賞受賞に因むものである。先のコメントには、「現在の私には予想出来ない、私の未知の俳句」とあった。
さて、愚生が提供した色紙は俳句コラージュのページの五枚一組の色紙である。色紙それぞれに自筆の似顔絵が即興で書かれているものだ。それは1976年の「俳句評論」の忘年句会で比田義之がブービー賞の景品として獲得したもので、その場で描かれたものである。その五人の俳人とは、高屋窓秋、三橋敏雄、大岡頌司、三谷昭、高柳重信(151ページ掲載)。
久しく忘れていたが、東京四季出版編集部より、高屋窓秋・秋元不死男の短冊はないかと尋ねられたときに、思い出し、ちょっと面白いものがあると、知らせたことで日の目を見た。
愚生はもともと、色紙・短冊類を集める趣味を持ち合わせていないが、秋元不死男の短冊もひとつあった。その短冊は阿部鬼九男が亡くなる直前に、辞退したが、めずらしく持っていけと強引に手渡された色紙だ。酒巻英一郎ともども見舞ったその日が永の別れとなってしまった。
本書には、その短冊と色紙は採用されなかったので、ここに備忘のために掲載しておこう。
獄を出て触れし枯木と聖き妻 不死男↑
ちるさくら海あをければ海へちる 高屋窓秋↑
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