2019年5月15日水曜日
竹村半掃「年の瀬や地べたに並ぶブキニスト」(『にんげんに』)・・
竹村半掃第一句集『にんげんに』(ハイク&レンク出版)、跋文は二上貴夫。それには、
半掃氏は京都出身ということもあってか、良い意味で俳諧味を持って居られ、
スリッパの脱ぎ捨ての向き春隣
夏料理向かいはバイオ研究所
マスクして人畜無害なりにけり
といった句を句会に出されて、次第に「詩あきんど」が目指す「俳味」とは何かを会得されていった。その軌跡がこの第一句集である。
とある。 収録句数は223句。俳句を初めて十年目の節目にということらしい。著者「あとがき」には、
俳句を始める前は、高校時代、母の勧めで「金雀枝」(えにしだ)短歌会に三年ぐらい参加していましたが、大学時代は工学関係、会社時代もコンピュータ関連の会社で三十数年勤務、まったく文芸活動とは無縁でした。退職後、母の介護で約二年間、故郷の京都に神奈川から単身赴任し、母は三十数年近く短歌を前登志夫先生について八十九歳まで大阪の短歌会へ、その母も九十二歳でこの世を去り、帰宅後、偶然にご近所にお住いの二上先生からお誘いを受け俳句を初めた次第です。
と記されている。同時に送られてきた「詩あきんど」第35号にの「詩あきんど集Ⅰ」には、
初蝶来そらの青より解かれて 半掃
木星(ユピナル)よ右脳に残る春の色
の句がみえる。また、本誌本号は、「第4回宝井其角顕彰『晋翁忌』2019俳句俳文大賞」の発表でもある。選考委員は、二上貴夫に宮崎斗士。大賞は砂山恵子「膝毛布」、準賞は廣島佑亮「水の階段」、矢崎硯水「虚と実と・カメレオンパロール」。各受賞者より一句を・・、
小寒やプーさん柄のベビーカー 砂山恵子
匂ひくる水の階段夏の月 廣島佑亮
氷菓舐めロボットカフェの窓の星 矢崎硯水
半掃句集『にんげんに』の集名に因む句は、
にんげんにすればいいやつ蝸牛
にんげんに何か言ひたげ時計草
であろう。ともあれ、以下に愚生好みに偏するが、いくつかの句を挙げておきたい。
六十億光年の先山眠る 半掃
犬小屋に閂をして寝正月
マイナスの無限大あり寒の水
おあがりやすとは花の話のおはりなり
あめんばうけふのところは雲の下
一丈の蛇の抜け殻炎熱忌
紙雛を留守番にして古都ぬるむ
母平成二〇年三月九日逝去
お別れの歌のお供やのらの猫
竹村半掃(たけむら・はんそう) 昭和16年、京都市生まれ。
撮影・葛城綾呂 レンギョウ↑
お早う御座います。詩あきんど(主宰二上貴夫)同人の竹村半掃です。この度は私たちの結社誌と私の句集「にんげんに」を取り上げて頂き感謝します。俳句と連句から虚実と俳味を学んでおります。今後とも宜しくご指導お願いします。御礼まで。詩あきんどのメンバーへも本HPをPRさせて頂きます。有難う御座いました。
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