2020年6月28日日曜日

江良純雄「神保町知的な黴の独り言」(第14回ことごと句会)・・

 


 第14回「ことごと句会」(2020年6月20日・土)、いつもの新宿区役所横店のルノアールは、コロナ話題の歌舞伎町、もう年寄りは怖くて近寄れない。よって、今回も郵便での紙上句会となった。従って、日時も、必ずしも一致はしていない。愚生のような蟄居の身には有難い。雑詠3句に兼題「黴」一句の計4句。
 ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。

  かな文字の碑(いしぶみ)すべる蜥蜴かな   金田一剛
  運転を子にまかせたる魚始          照井三余
  駄菓子屋に来るは鳩のみ五月尽        渡邊樹音
  優しさと品日傘から雫する          江良純雄
  秘めしこと叶わぬままに水中花        武藤 幹
  羽衣の天を包みて青葉せる          大井恒行

たぶん、次回も紙上句会だろう。老人は夏安居にしくはない・・・。



★閑話休題・・・武藤幹「言魂(ことだま)の人を離るる余寒かな」(「海原」NO.20/7/8月より)・・・


 ことごと句会の武藤幹は、「海原」会員でもある、先日、巻頭になったと喜んでいたが、今月は「海原集」の3句欄に甘んじていた。武田伸一の好句になったのが「言魂(ことだま)」の句である。因みに他の二句は、

   君縮む吾も縮みて冬の街         武藤 幹
   一通の文(ふみ)に薄氷ふ遺恨かな

そういえば、「縮む」には、坪内稔典の、

  魚くさい路地の日だまり母縮む    稔典

があったなあ・・・。
 ところで、今号の「海原」の特集は「新型コロナウイルスで表現はどう変わったか」で月のぽぽな、ナカムラ薫、野口思づゑが執筆している。さすがに状況に、いち早くコミットする「海程」の伝統が生きていよう。連載の安西篤「濤声独語」、小野裕三「英国Haik便り」も楽しみの一つだ。  




        撮影・鈴木純一「反戦と非戦の2円のレジ袋」↑

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