第14回「ことごと句会」(2020年6月20日・土)、いつもの新宿区役所横店のルノアールは、コロナ話題の歌舞伎町、もう年寄りは怖くて近寄れない。よって、今回も郵便での紙上句会となった。従って、日時も、必ずしも一致はしていない。愚生のような蟄居の身には有難い。雑詠3句に兼題「黴」一句の計4句。
ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
かな文字の碑(いしぶみ)すべる蜥蜴かな 金田一剛
運転を子にまかせたる魚始 照井三余
駄菓子屋に来るは鳩のみ五月尽 渡邊樹音
優しさと品日傘から雫する 江良純雄
秘めしこと叶わぬままに水中花 武藤 幹
羽衣の天を包みて青葉せる 大井恒行
たぶん、次回も紙上句会だろう。老人は夏安居にしくはない・・・。
★閑話休題・・・武藤幹「言魂(ことだま)の人を離るる余寒かな」(「海原」NO.20/7/8月より)・・・
ことごと句会の武藤幹は、「海原」会員でもある、先日、巻頭になったと喜んでいたが、今月は「海原集」の3句欄に甘んじていた。武田伸一の好句になったのが「言魂(ことだま)」の句である。因みに他の二句は、
君縮む吾も縮みて冬の街 武藤 幹
一通の文(ふみ)に薄氷ふ遺恨かな
そういえば、「縮む」には、坪内稔典の、
魚くさい路地の日だまり母縮む 稔典
があったなあ・・・。
ところで、今号の「海原」の特集は「新型コロナウイルスで表現はどう変わったか」で月のぽぽな、ナカムラ薫、野口思づゑが執筆している。さすがに状況に、いち早くコミットする「海程」の伝統が生きていよう。連載の安西篤「濤声独語」、小野裕三「英国Haik便り」も楽しみの一つだ。
撮影・鈴木純一「反戦と非戦の2円のレジ袋」↑
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