2022年8月20日土曜日

林ひとみ「多数決という乱暴油蟬」(第3回「現代俳句講座・金曜教室」8月19日)・・


  昨日、8月19日(金)は現代俳句講座・金曜教室(於:現代俳句協会事務所)だった。参加者14名。今回は雑詠2句の持ち寄り句会。以下に一人一句を挙げておきたい。


  背景を丸ごと抱いて来る西瓜             森須 蘭

  物陰でかまきりがするスクワット           川崎果連

  春惜しむ集ひに一人リアリスト            武藤 幹

  雷鳴や沸き立つ雲は殴りあい             多田一正

  尾道を一網打尽の大夕焼け              村上直樹

  熱帯夜隣の家のナポリタン              林ひとみ    

  野音晩夏乳房で唱うカンツォーネ           赤崎冬生

  迷宮のカフカの窓辺カンナ咲く            石川夏山

  宇宙への架け橋のぼる鷹柱              宮川 夏

  かりゆしの青にぴたりと銀やんま           白石正人

  やちむんとゴーヤ噛(か)みしめ半世紀(はんせいき) 岩田残雪

  空蟬を昆虫食の初めかな               山﨑百花

  星一つ命燃えつつ流れけり              高辻敦子

  陽の陰のクルスに巻ける秋の蛇            大井恒行


上掲の句に挙げられていないが、愚生が選んだ他の佳句に、


  まんじゅしゃげ一つの旗は燃えやすい        武藤幹


 がある。次回、9月16日(金)第4回金曜教室は、当季雑詠2句持ち寄り。と加えて、白石正人の最新句集『泉番』(晧星社)によ俳句絶叫が演じられるようお願いしたので、乞うご期待!!




★閑話休題・・大井恒行「殺すな!と教えし晶子ウクライナ」(「俳句人」8月号)・・


 「俳句人」8月号(新俳句人連盟)の特集は「ストップ ウクライナ侵略」、その特別寄稿(俳句+エッセイ)に、愚生も含め5名、他に同人の方々10名、評論に金子勝「ストップ ウクライナ! ロシアの核使用は許さない!」がある。ここでは、特別寄稿の一人一句を挙げておきたい。


  転がれる遺体四十九春の雷        石 寒太

  地下地獄啓蟄の日に死者多し      鈴木八駛郎 

  新樹たち火のしずむ夜を祈るしかない  中村加津彦

  武器商人ほほえむ人工滝の裏       衣川次郎

  いつも人は白き小さき鶴折るや      大井恒行  


  芽夢野うのき「へくそかずらですアンティックなブローチです」↑

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