2022年9月3日土曜日

江良純雄「鬼灯のタイムカプセル噛んでみる」(第40回・8・20/メール×郵便切手「ことごと句会」)・・


  第40回・8月20日付け、メール×郵便切手「ことごと句会」、兼題は「燃」+雑詠3句。以下に一人一句と寸評を挙げておこう。


     夏空を雲詠(うた)いゆく自由律     渡辺信子

  棚田へのエール高らか鰯雲        江良純雄

  蜘蛛の囲を壊した指のささくれる     渡邉樹音

  白粉花折れば音する恥ずかしさ     らふ亜沙弥

  照り降りててりふりてりふり秋に入る   金田一剛

  水打って老舗蕎麦屋のオーラかな     武藤 幹

  笑う女に気後れする夏男         照井三余

  汝と我不在の秋の陽がのぼる       大井恒行


★寸評・・・

・「鬼灯のタイムカプセル・・」ー未だに廃れぬ鬼灯市。そうか!タイムカプセルだったんだ。妙に納得させられる!!(幹)。

・「夏空を・・」ー自由律はデタラメに非ず。大気の法則の中での自由な動きの雲。俳句もかくありたい(純雄)。自由奔放が羨ましい(樹音)。

・「棚田へ・・」ー全天にいわし雲、地には整然たる棚田、まさに日本の秋の原風景ですね(信子)。

・「蜘蛛の囲を・・」ー指のささくれは雲の囲の幾何より他にありそう(三余)。

・「白粉花・・」ー臆病・内気etcの花言葉。下句の「恥ずかしさ」が巧い!(幹)

・「照り降り・・」ーまさにそんなリズムの、心定まらない8月でした(信子)。

・「水打つて・・」ーいかにもありそうな光景ではある(恒行)。

・「笑う女に・・」ー何事も笑い飛ばしている女、いつもメソメソしているのは夏痩せ男か(恒行)。

・「汝と我・・」ー妻 由美子さまへの追悼の句とよみました。ことごと句会一同、心より御悔み申し上げます(剛)。


 他に、句会報に献句として、一句したためられていたので、記しておきたい。


 救仁郷由美子 様

 初めて句会でお逢いしたときから、

 小柄な身体一杯に炸裂するエネルギーを感じていました。合掌。

    救仁郷の昇天盛夏(なつ)の天を衝く     武藤 幹

 

(献句、有難うございました。恐縮至極・・・大井恒行拝)


                 於:姫路文学館↑

          

              於:ギャラリーランズエンド↑

★閑話休題・・夏石番矢「月光を堪え忍ぶやまここへ来い」・・(夏石番矢の俳句系アート)、(姫路文学館・夏石番矢展)・・


 夏石番矢の案内によると、淳心学院中学生。高校生時代に6年間通学した姫路の、世界遺産姫路城近くの二会場で、夏石番矢の展覧会などが開催されるという。ギャラリーランズエンドには午後1時から6時まで、9月26日(月)28日(水)を除く、9月23日(金・祝)から10月2日(日)まで在廊予定だそうである。

・夏石番矢展「俳人夏石番矢のパンデミック下でのたたかいー『世界俳句』を主導してー」

  2022年9月10日(土)~10月10日(日)午前10時~午後5時、無料。於:姫路文学館南館1fさんかくギャラリー(電話079-293-8228)

   

・「夏石番矢の俳句アート系」展 掛軸。巻物、俳画、色紙、オブジェなど82点展示販売。

 2022年9月23日(金・祝)~10月2日(日)、11時~18時、入場無料。水曜日休。

 於:ギャラリー ランズエンド(電話079-291-2208)

「俳句朗読ととトーク」9月23日(金祝)14時~17時

・講演 夏石番矢「わが俳句軌跡の半世紀を語るーうなる川から世界俳句へ」

 2022年9月26日(月)13時30分~於:姫路文学学校準備室 ミュージック&ブックカフェギャラリー2階

・夏石番矢を囲む会 2022年10月1日(土)18時~(会場未定)



     撮影・中西ひろ美「秋はすぐ冬になるので一休み」↑

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