2018年3月16日金曜日
たなべきよみ「土に獣(けもの)に春雨というちから水」(第177回遊句会)・・
蕗の薹味噌↑
昨日は、毎月第三木曜日に行われる遊句会(於:たい乃家)だった。兜太逝去後とあって、兜太追悼の句も多くあった。兼題は春雨、燕、目刺、当季雑詠。ちょうど中央線吉祥寺での人身事故に出くわして、愚生も含めて数人が、わずかの時間ながら遅参した。
連衆の渡辺保より蕗の薹味噌をいただいた(上掲写真)。その書付に、
今年も「蕗の薹がでたよ!」と真岡の孫から報せてきました。さっそく電車に乗って、また、大量に収穫しましたので、蕗の薹味噌を作りました。句会のおりに、おすそわけいたします。
蕪村の句に、
莟とはなれもしらずよ蕗の薹
があって、「花と咲かないうちに、莟の姿のままで食べられる運命なのに、それさえ自身ではわかっていないのね、と蕗に戯れた」と藤田真一は、解説しています。
とあった。少し苦みがあったが味噌の甘味もたっぷりでさっそく美味しくいただいた。
ともあれ、一人一句を以下に挙げておこう。
春雨や三島の初版見つけたり 武藤 幹
惜別の句会浄土やめざし焼く 植松隆一郎
春雨の匂ふ庭にも青鮫が 山田浩明
遠ざかる父母引き寄せる目刺かな たなべきよみ
春雨にメトロノームとなるワイパー 石川耕治
北国の波を纏ひし目刺焼く 山口美々子
春雨や上がり馴染みの忘れ傘 橋本 明
乾し足らぬ目刺若造小生意気 渡辺 保
小豆島軒のつばめの眼の碧さ 春風亭昇吉
君と見た銀座のつばめ昭和の日 川島紘一
お茶づけや目刺し沢庵日本晴れ 石飛公也
春雨やハット常備の伊達男 天畠良光
空さびし青またさびし初つばめ 大井恒行
欠席投句より以下、
連なりてそれぞれ独り目刺かな 原島なほみ
出る杭になれよ流線型燕 林 桂子
ツバメ来る隣の赤子泣きやまず 加藤智也
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