2018年10月21日日曜日
山田浩明「墓参り一人そっちへ着くころです」(第184回遊句会)・・・
先日、10月18日(木)は、第184回遊句会(於:たい乃家)だった。兼題は秋晴れ・墓参・渡り鳥・当季雑詠。本日は奇しくも、愚生が参加する以前に宗匠だった坂東孫太郎の祥月命日にあたるということで、句会の前に墓参を済ませた方々も多くおられたようである。本日は、そのお孫さんの須賀健斗氏も句座を共にされた。
思い起せば、平成25年10月18日に急逝された孫太郎の一周忌を修するにあたり刊行されたのが遊句会篇『坂東孫太郎句集』だった。その一冊を賜ったのが、愚生を遊句会に招き入れた石原友夫氏である(2015年1月2日の本ブログに「坂東孫太郎『老いが身の妻恋ふ鹿となりにけり」を紹介した)。本句会に参加してより愚生もすでに一年半を経過したが、相変わらずの低空飛、本日は出句が全ボツの無点だった(もっとも、愚生の句はどこの句会に行っても低空飛行なのだが)。
ともあれ、一人一句を以下に挙げておこう。
干し物の陽気な顔や秋晴るる 武藤 幹
渡り鳥吾にも翼(はね)のありし頃 橋本 明
秋晴れや成層圏まで蓋がない 山田浩明
山崩れ河溢(あふ)れおり鳥渡る 石川耕治
秋晴れや富士は右方のアナウンス 中山よしこ
一族増えて墓参明るしピクニック たなべみよみ
秋晴れや伊皿子坂に満つ楽音(がくね) 横山眞弓
秋晴れやひねもす一人碁を並べ 村上直樹
宮城野の萩を手向けてたま祭り 渡辺 保
憂き事も浮世の塵(ちり)よ秋日和 川島紘一
碑に余白次は我が名を墓参り 天畠良光
墓詣彼岸増員此岸減 原島なほみ
渡り鳥みるみる遠く点となり 前田勝己
遊句子も頭は白き墓参り 石飛公也
秋晴れやハズキルーペの指紋拭く 植松隆一郎
墓洗ひ嬉々と漂ふけぶりかな 須賀健斗
秋晴れの兵士は何を狙うのか 大井恒行
9月28日~30日、国分寺市文化祭出品の石飛公也水彩画「五重塔」↑
撮影・武藤幹。
★番外投句・・・
秋晴れやつかみそこねた夏の花 春風亭昇吉
秋晴れや応援団長一歩前 加藤智也
秋晴れや淡々と愛く癌宣告 林 桂子
次回、11月15日(木)、第185回の兼題は、崩れ簗・茸汁又は茸鍋・縄跳び・当季雑詠。
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