2019年2月24日日曜日

中山よしこ「白一輪ヘップバーン似のチューリップ」(第188回「遊句会」)・・・



 先日2月21日(木)は、第188回遊句会だった。兼題は、春の雪、あさり、チューリップ。点盛りは最高点を山田浩明と中山よしこが分けたが、グログタイトル句はレディーファーストで、また、愚生の意中の句でもあったので、「白一輪」の句にした。以下に一人一句を・・

  悔いならば積もるほど有り春の雪      山田浩明
  浅蜊炊く匂い濃き路地佃島         渡辺 保
  喫水(きっすい)を下げて帰港す浅蜊舟   石飛公也
  孫は泣きもう笑っておる春の雪       石原友夫
  再生のお衾ならむ春の雪          石川耕治
  遠い日の試験の苦(にが)さ春の雪    植松隆一郎
  砂抜かず拗ねた浅蜊のふたつ三つ      橋本 明
  大槌の海にも浅蜊風薫る          横山眞弓
  天窓にふわりふんわり春の雪       中山よしこ
  海埋めて何が本場(・・)の浅蜊汁     川島紘一
  海たえまなく流れ在日の浅蜊        大井恒行

*欠席投句・・・

  クレヨンで描(か)いた最初はチューリップ 武藤 幹
  蒸し浅蜊悪友の説く儲けぐち       春風亭昇吉
  結露拭くガラスの向う春の雪        加藤智也
  婚礼の行列静か春の雪           林 桂子
  教壇にたった一本チューリップ      原島なほみ

次回は、3月21日(木)、兼題は、陽炎・朝寝・寄居虫。



           左から佐藤文香・高山れおな・山田耕司↑

★閑話休題・・本屋B&Bトークイベント、高山れおなVS山田耕司『不純な旅の夢』・・


 昨日、2月23日(土)夕刻は、下北沢・B&Bで行われた高山れおな『冬の旅 夏の夢』(朔出版)・山田耕司『不純』(左右社)の刊行記念トークイベントに出かけた。愚生は、予約チケットがインターネットでのカード決済でしかできないことに、ぶつぶつ文句を言ったら、どうやら、愚生ぐらいの年代の者は、ほとんどが入手できず、挙げ句、高山れおなに、老人は来るなということかと文句たらたらのメールを送ったら、さすがにこちらで手配をと、筑紫磐井、池田澄子、澤好摩、仁平勝などの老人?組にはそれぞれの刊行元関係者から別途立替えておいて下さった(深謝)。もちろん、トークは仲間うちの褒め言葉ではなく、内容など、有意義な中身だった。彼らが文字通り閲してきた平成時代の俳句、そして、お互いの句について率直、自由に語り合っていた。ましてこの場で、山田耕司の篠笛(桐生の地元の祭りで吹いているらしい)も聞けると思わなかった(拍手)。
 愚生はと言えば、最近ではこうしたイベントにも、かつてと違ってほとんど参加することもなく過してきたが、二次会では、久しぶりの方々、加えて、現代俳句の前線にいる若い世代、それも20代の人たちとも歓談ができ心地よい疲労となった。もちろん、同席ついでに遅ればせながら「豈」次号62号の打ち合わせもできた。いよいよ、順調ならば、高山れおな第一評論集も6月には刊行される予定だそうである(版元には入稿済)。恋うご期待!以下に2句づつ・・

  夏帽を胸にK氏た大円蓋(ドーム)仰ぐ    高山れおな(山田耕司選)
  ひねもすの春愁のガム緑いろ         〃
  脱がせあふ服は迷彩ほととぎす       山田耕司(高山れおな選)
  抱いてみてあやしてもみて冬の石       〃
    


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