先日2月21日(木)は、第188回遊句会だった。兼題は、春の雪、あさり、チューリップ。点盛りは最高点を山田浩明と中山よしこが分けたが、グログタイトル句はレディーファーストで、また、愚生の意中の句でもあったので、「白一輪」の句にした。以下に一人一句を・・
悔いならば積もるほど有り春の雪 山田浩明
浅蜊炊く匂い濃き路地佃島 渡辺 保
喫水(きっすい)を下げて帰港す浅蜊舟 石飛公也
孫は泣きもう笑っておる春の雪 石原友夫
再生のお衾ならむ春の雪 石川耕治
遠い日の試験の苦(にが)さ春の雪 植松隆一郎
砂抜かず拗ねた浅蜊のふたつ三つ 橋本 明
大槌の海にも浅蜊風薫る 横山眞弓
天窓にふわりふんわり春の雪 中山よしこ
海埋めて何が本場(・・)の浅蜊汁 川島紘一
海たえまなく流れ在日の浅蜊 大井恒行
*欠席投句・・・
クレヨンで描(か)いた最初はチューリップ 武藤 幹
蒸し浅蜊悪友の説く儲けぐち 春風亭昇吉
結露拭くガラスの向う春の雪 加藤智也
婚礼の行列静か春の雪 林 桂子
教壇にたった一本チューリップ 原島なほみ
次回は、3月21日(木)、兼題は、陽炎・朝寝・寄居虫。
左から佐藤文香・高山れおな・山田耕司↑
★閑話休題・・本屋B&Bトークイベント、高山れおなVS山田耕司『不純な旅の夢』・・
昨日、2月23日(土)夕刻は、下北沢・B&Bで行われた高山れおな『冬の旅 夏の夢』(朔出版)・山田耕司『不純』(左右社)の刊行記念トークイベントに出かけた。愚生は、予約チケットがインターネットでのカード決済でしかできないことに、ぶつぶつ文句を言ったら、どうやら、愚生ぐらいの年代の者は、ほとんどが入手できず、挙げ句、高山れおなに、老人は来るなということかと文句たらたらのメールを送ったら、さすがにこちらで手配をと、筑紫磐井、池田澄子、澤好摩、仁平勝などの老人?組にはそれぞれの刊行元関係者から別途立替えておいて下さった(深謝)。もちろん、トークは仲間うちの褒め言葉ではなく、内容など、有意義な中身だった。彼らが文字通り閲してきた平成時代の俳句、そして、お互いの句について率直、自由に語り合っていた。ましてこの場で、山田耕司の篠笛(桐生の地元の祭りで吹いているらしい)も聞けると思わなかった(拍手)。
愚生はと言えば、最近ではこうしたイベントにも、かつてと違ってほとんど参加することもなく過してきたが、二次会では、久しぶりの方々、加えて、現代俳句の前線にいる若い世代、それも20代の人たちとも歓談ができ心地よい疲労となった。もちろん、同席ついでに遅ればせながら「豈」次号62号の打ち合わせもできた。いよいよ、順調ならば、高山れおな第一評論集も6月には刊行される予定だそうである(版元には入稿済)。恋うご期待!以下に2句づつ・・
夏帽を胸にK氏た大円蓋(ドーム)仰ぐ 高山れおな(山田耕司選)
ひねもすの春愁のガム緑いろ 〃
脱がせあふ服は迷彩ほととぎす 山田耕司(高山れおな選)
抱いてみてあやしてもみて冬の石 〃
夏帽を胸にK氏た大円蓋(ドーム)仰ぐ 高山れおな(山田耕司選)
ひねもすの春愁のガム緑いろ 〃
脱がせあふ服は迷彩ほととぎす 山田耕司(高山れおな選)
抱いてみてあやしてもみて冬の石 〃
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