2019年5月20日月曜日

吉野裕之「ぐいぐいとくじらとなつてしまひけり」(「f-haiku 2018 」)・・



「f-haiku 2018」(フェリス女学院大学生涯学習課)、「後記」に、

 f-haiku 2018は、フェリス女学院大学オープンカレッジの講座「俳句の創作ー日本語のすばらしさを学ぶ」(春学期。秋学期開講:各八回)の二〇一八年度の受講生による作品集です。(中略)
 俳句の本質は、私たちの日常生活を豊かに実感すること、このことを基本に、講座は運営されています。当たり前といえば、当たり前のこと。しかし、ついうっかりと、忘れがちになること。

 と吉野裕之は記している。ともあれ、自由参加の一冊から一人一句を挙げておこう。

  チャリ飛ばすファンキーな女子春隣      伊東伸孝
  うづたかき僧院の古書秋暑し         西村 翠
  月の海ふたたびねじ巻くオルゴール      川井京子
  コンテスト親の古着の案山子かな       瀧澤孝子
  10月の空に呼吸は消えてゆく         中楯真美
  版画家の便りの中の暦売り          中村義和
  凛と立つ天の高さや曼珠沙華         谷嶋睦美
  法師蟬鳴きつくしたか往ぬる日ぞ       丸矢一夫
  ゆずり葉やみな元号のない暦       小宮山眞知子
  兎やら棲んでいいるやら真白の野       齋藤三和
  佇んであをあをの田の目高追ふ       佐々木裕雄
  台風のかけらホームを走り抜け       清岡ひさ子
  朱を放ち木立にぶらり烏瓜          木村榮一
  ぶらんこやトロイメライにまどろみぬ     森田一弘
  一月のフォルム高々ビルの上         吉野裕之



          文學の森会長・姜琪東↑


    山本健吉賞実行委員長・山本安見子(健吉息女)↑ 


          乾杯の音頭 筑紫磐井↑

★閑話休題・・・第17回山本健吉賞・稲畑汀子(「株」文學の森・各賞贈賞式)・・・

 本日5月20日(月)は、京王プラザホテルに於いて、文學の森各賞贈賞式が行われた。
久々に会った会長・姜琪東(カン・キドン)、まだまだ健在、、最後の仕事が、俳句界に若者を多く招き入れたい、だった。乾杯の音頭は筑紫磐井。以下にすべてではないが主要な受賞者を挙げておこう。

・第17回 山本健吉賞 稲畑汀子
・第11回 文學の森賞大賞 大久保白村『海にも嶺のあるごとく』
              阿部元気『隠岐』
・第20回 山本健吉評論賞 宇井十間「スンマ・ポエティカー造型論における世界観の問題」
・第9回 北斗賞 諏佐英莉「やさしきひと」


             大賞の稲畑汀子 ↑


北斗賞の諏佐英莉↑


             評論賞の宇井十間 ↑


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