2022年11月19日土曜日

高柳蕗子「ふたたびと言えばはばたく気配する古代の福耳未来の福耳」(『未来の福耳』)・・


  髙柳蕗子『未来の福耳』(私家版350円)&『よりぬき潮汐性母斑通信』(私家版350円)、


 文学フリマ(東京)用にに作成した豆歌集です。

 夜店や駄菓子やおもちゃ。そんな感じで手にとっていただければ幸いです。

 ■『未来の福耳』2007年の全歌集より後の歌から50首

 ■『よりぬき 潮汐性母斑通信』


 とあった。いずれも、「もとはすべて一行書きですが、豆本用に読みやすく改行を加えてあります」とある。文学フリマ東京は明日20日(日)於:東京モノレール流通センター駅徒歩1分の東京流通センター第一展示場・第二展示場,入場無料)。ともあれ、以下に、いくつかの歌を挙げておきたい。


 溶ける溶ける青空洪水あったあった内服用の液体飛行機      『未来の福耳』

 すれ違う列車に俳句が書いてあるむこうもこっちを読み上げている

 ふうん君は海洋深層水なのかぼくはそらみつヤマト糊だ

 海というパンツをはいたこの星の言葉はみんなすこしえっち

 しろたえの殺し文句と人乳は薄いからすすり続けてしまう

 半音ずつ低くなる空 空(♭) (♭) (♭)

 手を上げろ願いをよこせぜんぶ出せあとかたもなく叶えてやろう

 かしてごらん指と事実はこのように一本一本へしまげるんだ 

 ぺろんぺろん季節が顔を舐めあげて読み取っていく認証コード

 たましいはときめきがちな飛行体どんな蒼穹でもたちむかいます

 兄よ兄よ 母が今夜も他の人にわからぬ言葉でわたしを叱る 『よりぬき潮汐性母斑通信』

八の世は葉影はるかに歯を磨く父母おわします はろう はろう 

一度でも人のこころに触れたものは燃やせばわかる

父に教わったチェスでは盤上に交番があり正義が勝った

手錠した両てのひらにかわるがわる聴診器をあて「どちらも無罪」 

うずいている夕焼けている関係者各位わたしの乳首は交番である

手があれば胸をこうしてばってんに押さえて飛び立つだろう飛行機


 高柳蕗子(たかやなぎ・ふきこ)1953年、埼玉県戸田市生まれ。


 

  撮影・芽夢野うのき「風は木の葉欠けているから美しく舞う」↑

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