山口昭男『木簡』(青磁社)、集名は以下の句から、
木簡の青といふ文字夏来る 昭男
平成22年に「秋草」を立ち上げてから7年とあり、「あとがき」には、
「
秋草」七年の三百八十八句をまとめ、第三句集を『木簡』としました。(中略)
これからも俳句における詩情を求めながら「秋草」と共にゆっくり歩んで行ければと願っています。
とあった。句は、波多野爽波・田中裕明門下らしく、おおむね平明である。それにしても、俳句の詩情というのはなかなか難しい。ともあれ、いくつかの句を挙げておこう。
薄氷の表の方が暗かりき
白鳥小学校講堂青嵐
冬の蝶水のあかりを嫌がりぬ
指でよむ紙の表や秋の水
吾が肝に鈴つけてみん朧の夜
煤の紐見事に水を弾きをり
足音のいまだをさなき時雨かな
山口昭男(やまぐち・あきお)、1955年神戸市生まれ。
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