2017年11月25日土曜日

渕上信子「紅葉かつ散るたとへば君がさうだ」(「豈」第139回忘年句会)・・



 毎年、11月の句会は一足早い恒例の「豈」忘年句会である。いつもは都心で開催しているのだが、本年に限り、第169回「豈」忘年句会は、府中グリーンプラザ地下1F集会室で行われた。しかも「豈」60号は出来上がったばかりで、参加者の皆さんには一冊ずつお渡しすることができて、ほっとしている。句会には間に合わなかったものの、久々に、高山れおなが懇親会に出席、また、京都からは妹尾健、奈良からは堀本吟、北村虻曵、近江八幡から岡村知昭、さらに十数年ぶりの妹尾健太郎に会えるなど、にぎやかな顔ぶれとなった。
 以下に一人一句を挙げておこう。

  オルガン弾く月光つなぎ合わせては    羽村美和子
  三島忌のさりげなくなく発つ夜汽車かな  福田葉子
  凍鶴 自動です             鈴木純一
  冬ざれの野面廻せり鳶の飢え       猫 翁
  生涯の構え崩さぬ枯蟷螂         山本敏倖
  身の洞へ牡蠣を滑らせ明日は鬱      篠崎央子
  「アントニオ!」誰かゞ叫ぶ酉の市    渕上信子
  銀河系すべて乾き始めたのか       川名つぎお
  姉ものをねだる皇帝ダリアかな      妹尾健太郎
  雪吊の完成形といふ堕落         飯田冬眞
  つるつると声のはみ出すテープかな    堀本 吟

  ことの葉の
  是の早稲なる
  早よ召され               酒巻英一郎

  訃報を怺え柿の個を守る         照井三余
  枯蓮のほとりや逢へば即笑ひ       小山森生
  鞦韆は退きたるせつな土仰ぐ       北村虻曵
  クリスマスシンクに浸ける皿いちまい   椿屋実梛
  居眠りやまた居眠りの炬燵かな      成澤洋子
  三日月や象の反抗期の新説        岡村知昭
  山茶花や寄り道じょうず副校長      小湊こぎく
  高く強く速く汚きメダルかな       筑紫磐井
  冬雲の関ヶ原より徐々に去る       妹尾 健
  作務太鼓鳴れば落葉の遽(にわ)かなり  堺谷真人
  泣くだらうくれなゐ椿の前にゐて     大井恒行

また、懇親会には、新同人・佐藤りえも駆け付けた。もう御一人猫翁さんの句友(大熊氏)が飛び入りで参加された。  
 ともあれ、皆さん、良い年を迎え、健康で無事、健吟、また来年お会いしましょう!


              大國魂神社欅並木の虚子の句碑↑

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