一昨日は第173回遊句会(於:たい乃家)。いっこうにマシな句が出来ず、句歴だけはながーい愚生の現在の句会出席といえば、「豈」と、この「遊句会」以外は、ほとんど無いのだが、若年のときから思い起こせば、一度だけだが、中村草田男健在の「萬緑」や沢木欣一「風」などにも出たことがある。二十歳になりたての頃、京都に居たころは、天狼系だった「立命俳句」、鈴鹿野風呂「京鹿子」、山口草堂「南風」などの句会にも出た。運命を変えたのは代々木上原での「俳句評論」の句会への出席だったかもしれない。そして、愚生が遊句会に参加させてもらうことになったのは、ある御仁との縁によるものである。飲み食いをしながら句を楽しみ、人との付き合いを楽しむという趣だが、なかには、新聞俳壇に投句をしたり、「海程」の句会に出て、本格的に俳句を創ろうとしている人もいる、多士済済の仲間である。
この長い遊句会の歴史を支え、築いてきたのは、そうした仲間が句会の進行役、兼題など、毎月担当を決め、なおかつその都度、句会報を出し続けてきたことによるだろう。今回は、その句会報の担当をしている山田浩明氏の句会報に添えられた感想を本人に無断で以下に引用したいと思う(許されよ・・)。じつによく、この句会の雰囲気を伝えていると思うからだ。
今回の遊句会は「原島なほみDay」&「加藤智也Day」でした。
それにしても原島さん。貴女がこんなに〝悪いオンナ〟だったとは。
村上直樹が「嫁に欲しいぐらい・・・」と、手も無く騙されるのを見て、
大したものだと感心しました。
超低空飛行の私が云うのもナンですが、
村上氏作の「銚子二本」もイイ、加藤さん作の「予報士の棒」もイイ、
天畠氏作の「七五三」も身につまされるヒトがいて、それぞれにイイと思いつつ、
やはり〝善〟より〝悪〟にこそ神の力は宿るのか。
もっともっと闇の底から香り立つような句が詠みたいなと思った次第です。
無理かな?俺もこれで結構イイ人してるからな・・・
余計なことを云いました。とにかく原島さん、オメデトウ。
山田
今月の兼題は、神の留守・時雨・千歳飴。一人一句を以下に・・。
小夜時雨銚子二本の理由(わけ)になり 村上直樹
七五三親子が家族でありし頃 天畠良光
時雨くるデイサービスの送迎車 春風亭昇吉
鈴の音も虚ろに聞こゆ神の留守 橋本 明
落葉松(からまつ)の一本道に片しぐれ 中山よしこ
あの人に似た人のいて時雨かな 原島なほみ
傘たたく音もなかりし時雨かな 武藤 幹
祈祷待つ泣き顔笑顔千歳飴 石原友夫
出雲へと留守居も置かず神の旅 渡辺 保
心情を背に貼りつけてゆく時雨 たなべきよみ
あっぱれな過剰包装千歳飴 山田浩明
送信のあてなきメール初時雨 大井恒行
*欠席投句より
予報士の棒の先から時雨来る 加藤智也
引きずりし身の丈ほどの千歳飴 林 桂子
休耕の田圃乾(ひ)上がる神の留守 石川耕治
次回(第174回)は、12月21日(第3木曜日)。兼題は、手袋・冬の海・除夜の鐘。
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