2018年1月14日日曜日

三野輪光「初鏡米寿の紅を少し濃く」(「欅心」NO.637)・・・



 「欅心」NO.637(2018-1)は府中市俳句連盟の機関誌である。月刊だから、号数から逆算すると53年の歴史があることになる(ほぼ愚生の句歴に相当する)。愚生が府中市民になったのは約6年前のこと。シルバー人材センター派遣業務で府中市グリーンプラザに勤務するようになって3年半になる。そこで、府中市俳句連盟会長・笹木弘とよく顔を合わせるようになった。府中市俳句連盟が月に2回の句会の他に、初心者向け句会や地区句会、誌上句会など実に活発で地道な活動していることを知った。
 その縁もあって、昨年10月29日に開催された「川崎平右衛門没後二五〇年記念事業。第53回府中市民芸術文化祭・俳句大会」の選者をさせていただいたのだと思う。ところで「欅心」今号は、その俳句大会の特集号である。
 ともあれ、以下に「欅心・妙連集」より一人一句を紹介しておこう。
 
   白菊やあまえん坊が保母となる    伏見スミ子
   冬晴れの木漏れ日を載せ筆走る     藤原恵子
   枯葉鳴る五線譜にない音たてて     橋山紫幹
   「だるまさんがころんだ」真後ろに小春 林冨美子 
   米寿まで生きてスキップ草紅葉     三野輪光
   小春日やバギーの嬰にハイタッチ   真霜智佳子
   かたことの園児二人は冬帽子      米田素子
   恋愛も手のひらサイズ赤まんま    米山多賀子
   威勢よき声につられて熊手買ふ     安田俊朗
   故郷の庇も縁も柿吊す         渡辺勝子
   鉛筆を削り尽して冬の雨        小野 覚
   除雪車の音の高鳴る峠かな       岡 莞弥
   俳句の師仏道の師逝く秋ついり     小林裕栄
   鳥の口守る南天実の赤し       加藤フミ子
   枯菊や焚けばかすかに匂ひ立つ     酒井 努
   コスモスの揺れに眼の慣れてくる    笹木 弘
   先生は物言はずして花八手       島﨑栄子
   ど真ん中欅枯葉や五百年        田頭隆徳
   メモになきものまで買ひて年の市    中田愛子
   歩を移すところためらふ散紅葉     中田昌子
   己が葉をふかぶかと着て眠る山     中山遊香 



  

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