「週刊読書人」の連載コラムに円満字二郎(えんまんじ・じろう)の「漢字点心」がある。すでに百回を超している。楽しみにしているコラムだ。101回目が、「只」である。漢字の一文字の由来が色々書かれている.取り上げられる字は、パソコンでは現われて来ない特殊な漢字も多いので、「只」なら、愚生も紹介できると思って、思いついたが吉日、閑話休題と思って書いている。その冒頭の説明には、
「ただ」と訓読みして使う漢字だが、本来の意味は異なる。古代中国語で、ことばのリズムを整えるために挿入される語を表す漢字である。日本語でいえば、「あのね、ぼくはね・・・」というときの「ね」のような感じのことばなのだろう。
そういう無意味なことばを表すために、漢字を生み出した人々は、「口」の下に八の字形に線を二本引いた。マンガの吹き出しのようなもので、口から声が出ていることを表しているわけだが、意味はないから、中身のセリフもないわけである。
とある。手元の漢和辞典で調べたら、こういうのを助字というらしい。面白いことに、我が国ではロハといいただ(無料)という意味になる。
また、俳句をたしなんでいる俳人には禅に通暁している御仁などもいて、道元の「只管打坐(しかんたざ)」を句作の要諦という人もいる。
あるいは波郷のように俳句は「打坐即刻の唄なり」という人もいた。
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