一昨日は、第182回の遊句会(於:たい乃家)だった。兼題は天の川・衣被・蔦・当季雑詠。帰省していた村上直樹は故郷尾道からの直行参加、また、横山眞弓には愚生が、本句会に参加してから初めてお会いしたが、皆さんには旧知の方である。以下一人一句を・・・。
衣被つるりと本音滑らしむ たなべきよみ
指からめ五十年目の天の川 山田浩明
御巣鷹の無念たゆたふ天の川 橋本 明
きぬかつぎ掴みかねたる古希の箸 渡辺 保
銀漢や十五の夜に決めた事 村上直樹
雨戸這い行く手とまどう蔦かずら 春風亭昇吉
衣被八つ夜空を眺めおり 武藤 幹
蔦の闇厭(いと)わしき生の息づかい 石川耕治
そこそこの倖せでよしきぬかつぎ 中山よしこ
蔦からむ土蔵跡無し石の河 川島紘一
ヴィオロンのセンシュアルな香蔦の窓 横山眞弓
衣被脱がせた下の白い肌 植松隆一郎
逢瀬にも虚実混交天の川 天畠良光
山脈を踏みはずしたり天の川 大井恒行
欠席投句・・・
天の川上げ潮八分電気浮 加藤哲也
この道で良いの悪いの天の川 林 桂子
小さいな人は小さい天の川 原島なほみ
湯気まとふ艶めく見目や衣被 須賀健斗
ところで、このブログの元になっている句会報を、いつも、数日内には送って下さっているのが山田浩明、そのコメントがなかなかに思いやりが深い。よって、掟破りを承知の上で、叱責覚悟で、愚生が勝手に引用しておきたいと思う。
このまま一気に秋に・・・なるはずも無いけれど、
昨日/今日は楽でした。
しかし70にもなって、衣かつぎでスケベな句しか思いつかない彼らは
疚しさを感じる事は無いのだろうか。
私の的を得た一句を選んだのは武藤氏と若い昇吉さんだけ。
お二人とも全く疚しくない句を詠んでおられます。
・・・そうか、私の句があまりに的を得ていたので、
恥じて選べなかったんだな!納得、納得。
という事で、今回は久々に横山さんの出席、須賀さんの投句があり
新鮮な句会でした。(トビさん欠席の静かな句会でもありました。)
林さん、「この道」良いのだと思いますよ、きっと。
原島さん、リハビリのための仮住まい、大変だけど、報いはあるはずです。
今月の植松さんの兼題、やさしそうで難しかった・・・ですよね?
で、また、来月の大井さんの兼題がやさしそうで、難しい。そう思いませんか。
お二人のお人柄(?)がよ~く分かりますね。 頑張ろう・・・山田でした。
引用の中の疚しさというのは、彼の当日の出句「衣被剥く疚(やま)しさ疚(やま)し齢七十」のことである。それにしても、今月の兼題は難しかった。「天の川」などはワンパターンになりやすい季題だったためだろう。愚生は句歴の長さだけが取り柄で、ひたすらバレ句にならないように用心しただけにすぎないが・・。衣被の句となれば、いつも、45歳で亡くなった田中裕明の「悉(ことごと)く全集にあり衣被」を思い出す。もっとも、衣被は俳人の好きな季題のひとつであるのだが、それだけにこれも難しい・・。
次回は、9月20日(木)、兼題は、「菊・露・秋思」。
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