2019年6月16日日曜日

中西ひろ美「青胡桃コツンと母に面会(あっ)ってくる」(第6回「ひらく会」)・・



 昨日の雨がまるで嘘のように晴れた本日は、第6回ひらく会(於:府中市市民活動センタープラッツ)だった。いつものメンバーに体調その他で2名欠けたが、いつも通り、雑詠3句出句、選句は一人6点持ち(但し一句の最高点4点まで)の方法で行われた。
 最高点は鈴木純一の円形の句だったが(以下の写真)、選句用紙に記された読み方は、ひとそれぞれで、なかなか面白かった(ブログタイトル句は次点の句)。


           鈴木純一 ↑

 選句用紙に記された、その読みの違いを以下にあげてみよう。

・ひきこもりうたかひよせてはなみの
・うたがひよせてはなみのひきこもり
・きこもりうたかひよせてはなみのひ
・ひきこもりうたかひよせてはなみのひ
・こもりうたかひよせてはなのひきこもりうた
・ひきこもりうたかひよせてはなみのひき

 等々、読者にはどこからでも読めるという、言葉遊びを駆使した、楽しめる句だった。にしては、いくばくの悲哀がこもっているようにも思えた。たぶん回文句を作るよりも作者は苦心惨憺の努力を傾けているのではなかろうか。
 ともあれ、一人一句を以下に挙げておこう。

  蟻塚を蹴散らす四股や夏はじめ      大熊秀夫
  観音堂いまひと息を射干とゆく      渡辺信明
  一門に居り老鶯とほととぎす      中西ひろ美
  薔薇赤き赤き依身も照らす朝     救仁郷由美子
  有明にそっと足差す青鷺かな       成沢洋子
  冷気しきり十字架をのぼる蛇       大井恒行




★閑話休題・・照井三余「日盛りのオスプレイに拳握る」(第五回「ことごと句会」)・・


 昨日、6月15日(土)は、篠突く雨のなか、「夢座」句会改め「ことごと句会」第5回(於;ルノアール談話室区役所裏)だった。ちなみに、この日は樺美智子忌でもあった。出句は三句+席題の一句は「蚊」。ともあれ、以下に一人一句を挙げておきたい。

    (か)きくけこ刺しすせそっと立ちさりぬ   銀 畑二
    薄暑光会えない人と会っている        鴨川らーら
    一匹の蚊に会議室そぞろなり          武藤 幹
    ことごとく水の先まで夏疲れ          照井三余
    蚊柱の向こうに廃墟信長忌           渡邉樹音
    風死んで十秒切りに賭ける筋        たなべきよみ
    飛び濡れて鳥 鳴くを忘れる水無月の      大井恒行
    


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