2021年6月1日火曜日

照井三余「桜蕊もちこたえるは母に似て」(第25回「ことごと句会」切手句会)・・・


 第25回「ことごと句会」(2021年5月20日付け)、雑詠3句、兼題「怪」1句。以下に一人一句と各寸評を紹介しておきたい。愚生は本日、新型コロナワクチン接種2回目が終わった。今のところ、一回目より腕の痛みはない。平常通りだと思うが、2回目がハードという人が多く、その気分で少し熱っぽいかも・・・。夕食後、片頭痛気味なので、処方してもらったカロナールを一錠飲んだ。


   春惜しむ集ひに一人リアリスト      武藤 幹

   白昼の闘魚かがやく雑貨店        渡邉樹音

   鯵のひらき骨のあるほうとないほう    金田一剛

   背に固き畳に大の字五月風        照井三余

   窓ガラスへ描くイニシャル五月闇     江良純雄

   花の色褪せてピエタの膝の上       渡辺信子

   元彼は怪人二十面相梅雨に消え     らふ亜沙弥

   夏空を眺め体じゅうが痛い        大井恒行


・「桜蕊・・」ー桜蕊は誰のエモーションにも残りませんが、桜の蕊に母の姿を見る作者。いい息子ですな(剛)。

・「春惜しむ・・」ー中途半端な繰り言には、「だから何?」とか言われそう・・(信子)。

・「白昼の・・」ー迷路的な雑貨店。闇と迷路の交錯の中に魚の形をした道具が。雑貨店を宇宙と観る(純雄)。

・「鯵のひらき・・」ーこんなの俳句か!?とも思うが、楽しく又、意味深長である!!(幹)。―作者は何も語らず、読み手に託す(三余)。

・「背に固き・・」ー初夏が似合う句。今やフローリングの床の生活、やはり日本人としては畳に寝転がる文化は大切に受け継がなくてはいけない(樹音)。

・「窓ガラス・・」ー昔昔、こんなことしたなあ。闇が淋しい(亜沙弥)。

・「花の色・・」ー嘆きの色の深さがある(恒行)。

・「元彼は・・」ー昭和の時代、新宿に「怪人二十面相」という店がったのを思い出しました。(・・・・・)。「元彼」の俗っぽさと「梅雨に消え」との妙な味わいを感じました(樹音)。

・「夏空を・・」ー晴れわたった夏空。こういうのを見上げると、体中が痛い!(幹)。


・次回、6月20日締切。兼題「狂」+雑詠3句。



                                  撮影・ノブコ・ワタナベ↑

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