2017年1月12日木曜日

遠山陽子「いつか来るその日のやうな秋夕焼」(「弦」39号)・・・




明けましておめでとうございます。
年賀に替えて「玄」39号をお届けいたします。

と扉にある。「弦」は遠山陽子の個人誌。三橋敏雄の評伝を書き発表するために発行し続けられた。『評伝 三橋敏雄』が刊行されたのちも発行し続けられている。今号にも「三橋敏雄を読む(2)」で三橋敏雄『眞神』の作品が取り上げられている。それには、

 しかし『眞神』は敏雄自身が満足していなかった全句集以後八年間をかけて、主題と手法の見事な転換を見せた句集である。ここにおいて三橋敏雄が三橋敏雄として初めて確立した句集であると私は見ている。

と結ばれている。前句集とは『まぼろしの鱶』である。

  撫でて在る目の玉久し大旦     三橋敏雄『眞神』より
  鈴に入る玉こそよけれ春の暮
  たましひのまはりの山の蒼さかな





他には、遠山陽子、中村裕、佐藤文香で「悟空句会」というのをやっているらしい。命名は三名が申年生まれだからという。句会から一人一句を以下に挙げておこう。

   背高きまま老いたれば花の見ゆ     陽子
   全館空調冬のシベリア鳥瞰図       裕
   イヤフォンの土まで垂れて葛飾区    文香 




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