2016年3月30日水曜日

久保田紺「着ぐるみの中では笑わなくていい」(「川柳カード」11号)・・




「川柳カード」・11号の編集後記を読むと「創刊号から『果樹園』の常連だった久保田紺さんがお亡くなりになった。句集『大阪のかたち』などを読み直しながら、五十句選を掲載した」とある。掲出句はその中から。他に数句を以下に・・・。

  眠れない夜は羊を丸刈りに          久保田紺
  陰毛が生える 私を見捨てずに
  おさかなをたべているのにおよげない
  ありがとうと言ったらさようならになる
  着払いえすが戻っていいですか
  いけませんそこに触ると泣きますよ
  
この号で強く印象に残ったのは小池正博「果樹園散歩 現代川柳を楽しむー日常語と川柳の言葉ー」の末尾、「きっとあなたも西太妃の舌が好き  松尾初夏」の句に記した最後の評言。

  時空を超えた権力機構の在り方と人間の心理を相手取ることも必要だ。川柳には政治やセックスをテーマとして、まだ書かなければならない領域が残されている。

他に、新連載・兵頭全郎「妄読注意!」も面白く読んだ。
以下に、各人一句を挙げたいが、紙数?も尽きるので、「豈」同人の二名に絞る。

   円柱はだからだからとつるつるに   樋口由紀子 
   後ろ手に縛られている名付親     小池正博



                                                    コバンソウ↑
    

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