その後の我が庭に追加したホスタの名前の一つがレインボーズエンドで、映画「ティファニーで朝食を」の主題歌「ムーンリバー」の歌詞の一節に出て来る。映画ではオードリー・ヘップバーンが部屋の窓枠に腰掛けてギターを弾き語りで歌っている。
映画の字幕で、レインボーズエンドは「虹の端っこ」、意訳すれば「見果てぬ夢」。
そのレインボ―ズエンドに捧げるように、本句集の最後の句は、少し淋しく、
おぼろ夜の夢追いそのうちグッドバイ
である。装幀は霧工房の増田まさみ。かつての同人誌「日曜日」の発行人である。攝津幸彦が健在だったころ、増田まさみに「豈」と合体して、誌名を「日曜日の豈(兄?)」にしませんか、と提案したことがあるらしい。そのせいかどうか「日曜日」休刊ののち、亘余世夫は、「豈」に参加し、現在は、徳之島で島言葉の収集、研究をしている。
シリウスや神々もまた生ぐさし 霧人
シュレッダー音高々と春来る
夕焼けてどこかへみんな帰るんです
闇の奥にまた闇があり蛍生る
夏草のスカイツリーよりは低し
水割りやぼくにもあった敗戦日
そして誰もいなくなった開戦日
凍蝶の渡る幻化の海なりき
前田霧人(まえだ・きりひと) 1946年、高松市生まれ。
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