森山いほこ第一句集『サラダバー』(朔出版)の集名の由来は、
サラダバー横歩きして銀漢へ いほこ
の句から。今井聖の序文(帯にもなっている)によると、
「街」が今日まで目標をたてて実践してことの集積が『サラダバー』にはある。俳句とはこうあって欲しいと願ったことがこの句集の中にあり、この句集に欠けていることがあるとすれば、それは僕らが願わなかったことである。森山いほこ今は「街」の今だ。
とあった。つまり「街」が願っていたことのすべてが、欠けることなく、ここにあるということだろう。だとすれば、愚生は「街」の今と今後を、ここに認めればいい。
「朔」出版は聞きなれないと思って、奥付を見たら発行者に鈴木忍とあったので、角川「俳句」を辞して後の新たな出発ということになる。慶祝。
ともあれ、いくつかの句を以下に挙げておこう。
セーターより首出す夫の居ぬ国へ
春の田や吾が嵩として水滲む
戦神祀りて瞑し春の瀧
膨らまぬ母のスカートつばくらめ
一万字消しての一字寒昴
並走の電車の遅速旱星
ダリア↑
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