2018年7月29日日曜日

かわにし雄作「肩書がふわっと取れて草の絮」(第36回東京多摩地区現代俳句協会俳句大会大会賞)・・


挨拶する吉村春風子会長↑


                講演する高野ムツオ氏↑

 本日は第36回東京多摩地区現代俳句協会俳句大会(於:武蔵野スイングホール・午後2時~)だった。東京多摩地区現代俳句協会は創立35周年。講演は高野ムツオ「私の現代俳句ー兜太と鬼房」だった。講演が終わってのち、大会俳句作品の成績発表と顕彰が行われた。
 恒例だが開会には会歌「多摩のあけぼの」(作詞・沢田改司、作曲・宮川としを)の合唱から始まる。今回は最初に金子兜太逝去に伴う黙禱が捧げられた。ブログタイトルに挙げた句、かわにし雄作「肩書がふわっと取れて草の絮」は互選最高点を獲得した大会賞である。以下入選の6名までを以下に挙げておこう。

   大根を引き大根に倒さるる       永井 潮
   日向ぼこニュースがニュース消して行く 原田洋子
   すでに名で呼ばれし胎児春近し     菅沼淑子
   蜩の他は無口な村境          地原光夫
   風船やぶつかりあひて傷つかず     根岸 操
   晩年の素顔の軽さ藍浴衣        遠山陽子

  

      「朝日俳壇」7月29日。入選のたなべきよみ句↑

★閑話休題・・・
遊句会のメンバーのひとり、たなべきよみが久しぶりに朝日俳壇・長谷川櫂選に入賞した。

  ゲバ棒と寝たアカシアの花の下  (東京都)たなべきよみ

「評」には、「十句目。闘争も思い出に。時間の作用」とあった。この十句目に特別な句を置いて評する、というのは、金子兜太がやっていたことで、長谷川櫂は、それを承継している。さらに、俳句の場合、共選の☆印がつくのはめったにないことだが、しかも、長谷川櫂、高山れおな各選の、第一席が奇跡的に重なったのだ。次の句である。

   蟻の列死を分解し運び去る  (筑紫野市)二宮正博

「評」は、長谷川櫂が「一席。死さえ最後は残らない。たゆみない自然の営みによって」であり、高山れおなは「二宮さん。『死を分解し』の抽象化が箴言(しんげん)のように力強い」である。共選一席の句の名誉は動くものではないだろうが、句を評価する際の両者のこの評価の差異は、どこからきているのか。この乖離について、愚生のところに早速尋ねてきたのが、これも遊句会の染々亭呆人で、「箴言のように力強い」に反応して、遠藤周作の言葉にならえば、

  「死んだやつは死なせておけ、俺はこれから朝飯だ」というイエスの断固とした言葉を想起させるのです。

と感想を述べてきた。また、朝日俳壇に新風が巻き起こってきそうですとも言っていた。愚生ら俳人よりも、いわゆる一般の俳句愛好家の方々のほうが朝日俳壇新選者への期待が大きいようである。


          撮影・葛城綾呂 アブラゼミの羽化↑


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