2018年7月30日月曜日
中西ひろ美「海鞘は好きかと昆布のやうに問はれけり」(第一回「ひらくかい」)・・
愚生の地元・府中市市民活動センタープラッツの会議室に於て、第一回「ひらくかい」の句会を開いた。今後はどうするとも、どのようなペースで行うとも、句会の方法も何も決めずに、とりあえず雑詠3句を持ち寄り、その後は相談することで出発した。もっとも今回は地元市民の方と近隣の方にのみ案内をした。
初回だから、初対面の方も多く、まずは自己紹介から入り、句会の後は近所の喫茶店での茶話会で解散した。以下に一人一句を挙げておきたい。
炎天をおんぶお化けの詫び回り 武藤 幹
炎天の影に重さの無い恵み たなべきよみ
貝殻の白きをあつめ雲の嵩 中西ひろ美
全山の春蝦夷蟬を連れ帰る 鈴木純一
背泳ぎやこの世このまゝ滾(たぎ)つ瀬へ 猫 翁
秋出水屋根へ着きたるゴムボート 大熊秀夫
朝まだき遠くに蓮の香り立ち 成沢洋子
銀杏黄葉黄泉へ帰(おもむ)く門にあり 救仁郷由美子
すすき占(うら)明日まぼろしに託す声 大井恒行
次回は、9月4日(火)午後1時~4時半、プラッツ第7会議室B於。逆選あり句会の予定。
府中近辺の方はどうぞ!
★閑話休題・・・
「面」123号(面俳句会)には小宮山遠の遺作・続が掲載されている。他には相変わらずの健筆が衰えない高橋龍のエッセイ「丸山薫と三橋敏雄の海王丸」。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
夏木立人居れどみな後ろ向き 小宮山遠
平成に最後の立夏水潔し 網野月を
古今東西ときに人泣く木々芽吹く 池田澄子
野に放つ
声
ひとかどの
翌檜に 上田 玄
水仙を摘んで束ねて誕生日 衣斐ちづ子
落さずに運ぶ頭や萬愚節 岡田一夫
憲法九条涙のあとの死者生者 北上正枝
うぐひすをさかしまにきくあさねかな 北川美美
春の野や雲に追はるる雲のあり 黒川俊郎
夕暮の桜もっとも日を残す 小林幹彦
庭いっぱいのポピー狂気とも元気とも 渋川京子
方舟にのりそこねたる子猫かな 島 一木
核の罪語りて尽きぬ緑星忌(窓秋忌) 髙橋 龍
右折焼鳥屋脳不足さて酷暑 田口鷹生
檣頭の一粒はわが春の星 遠山陽子
お試しは一回切りに願います とくぐいち
富士櫻思えば吹雪く墓いくつ 福田葉子
階の熊野へ一歩虫時雨 本多和子
こどくしのあきやのうらのうぐいすや 三橋孝子
撞くたびに重たくなりぬ紙風船 宮路久子
残雪や時よ遥かに赤軍派 山本鬼之介
死の家の灯の煌々と桃の花 山本左門
翁おうな杖に名札や白菖蒲 吉田香津代
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