2016年11月20日日曜日

鴇田智哉「沼を背に秋の集団写真かな」(「オルガン」7号)・・・



「オルガン」7号に「オルガン連句興業&座談会・沼を背にの巻」が掲載されている。捌きは浅沼璞。浅沼璞創始の「オンザ六句」の連句形式での興行である。
最近刊行した『俳句・連句REMIX』を使ってとある。リミックスは椹木野衣だったか、音楽・美術論として展開されていたように記憶しているが、まあ、すでにかなり昔のことなどであまり記憶にないが、浅沼璞は当初より援用していたように思う。
連句にはたいてい作品と留書があるくらいで、連句に参加した人は、その場の雰囲気の記憶が支えになって面白いが、読む人に、とりわけ、素人には興味が湧かない。
ただ今号のオルガンは座談会というかたちながら、連句を巻いていくさまが、臨場感をもって、再現されており、参加した俳人たちの質問によく答えて、浅沼璞の連句論、いや詩歌論もよく伺える。連句を通して歴史的に俳句とは何かが見えてくるような感じだ。
「オンザ六句」という連句の新形式については「注」によると「従来の連句の式目を(ルール)を簡略化し、一連六句を基本単位とした継ぎ足し方式や自由律の採用など、現代的にアレンジされた連句」とある。ただ、現代的にアレンジされたとはいうもののいつも疑問に思うのは、表記が歴史的仮名遣いであること。連句で現代仮名遣いを採用していたのは、橋閒石だったと思うが、仮名遣いについての現代的な必然性はいずこにあるのだろうか。
今回の興行は五連まで。第一連を記し、その部分にまつわる座談を,引用しておこう。

第一連
秋   沼を背に秋の集団写真かな       鴇田智哉
月     月を掠める鴇の滑空           浅沼 璞
    過ぎ去りし後も列車の色残り       生駒大祐
      コーヒーのんでぽつねんと立つ   福田若之
冬  声のある港を覚ますやうに雪       田島健一
冬   船のほどけて冬の夕焼        宮本佳世乃    

■脇
 月を掠める鴇の滑空        浅沼 璞
浅沼 今回のみなさんの作品で鴇田さんの〈沼を背に秋の集団写真かな〉は一番私には挨拶性が高いと響いてきたので、まぁ私の沼、浅沼ですね。本当に捌なんて背景みたいなものなので、当然脇は名前を詠み込みたいと。仮に「田」でもいいんですけど、「田」にすると田島さんがいて、(笑)、かぶってしまうので。
「浅」に対して「沼」で挨拶してくれたから、鴇田に対して「田」で挨拶するというのもちょっとは考えたんですけれども、「鴇」で挨拶にしようと。

以下は、「オルガン」誌で直接どうぞ、お読み下さい。



                                                       センリョウ↑

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