2019年8月18日日曜日

村上直樹「ひとりひとり、ひとりひとりの風の盆」(第194回遊句会)・・

 
  
 「朝日俳壇」8月11日(日) ↑
蟬しぐれ「世論」のように数日間 
             (国分寺市)武藤 幹

 先日の敗戦記念日15日(木)は、奇しくも第194回遊句会(於:たい乃家)だった。上掲の写真は、会場風景を撮り忘れたので、11日(日)付け朝日新聞「俳壇」、高山れおな選に入選した遊句会の武藤幹「蟬しぐれ『世論』のように数日間」の句の記事を載せた。
 ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。兼題は「法師蟬」「鰯雲」「風の盆」。

  鰯雲祖父の自転車空の魚籠(びく)    山田浩明
  長崎のクルスを抱(いだ)く鰯雲    中山よしこ
  寡黙なる北の葬列鰯雲          石原友夫
  路地路地の闇をあつめて風の盆      武藤 幹 
  法師蝉鳴く泣く嘆(なげ)く慰霊の日   川島紘一
  羽化の夜下着脱ぐよに法師蝉      植松隆一郎
  鎌倉や読経に唱和す法師蝉        石川耕治
  辻ごとに哀歌あふれて風の盆      山口美々子
  鰯雲近くて遠のく釜山港         石飛公也
  ぽつねんといわし雲見ている少年     村上直樹
  歌われよおらは囃すちゃ風の盆      渡辺 保
  法師蝉声ふり絞り命継ぐ         前田勝己
  草に臥し哲学したよ鰯雲         天畠良光  
  鰯雲一本の鉛筆があれば書く       大井恒行

★欠席投句・・・

  また逢はむと契りし去年(こぞ)や風の盆 林 桂子
  群れられぬそれも生き方鰯雲      原島なほみ
  反射するビルのざわめき法師蝉     春風亭昇吉 

 次回は9月19日(木)、兼題は「敬老の日」・「枝豆」・「風」〈無季〉・当季雑詠。
 翌々月の10月17日(木)の句会は、翌18日が祥月命日の坂東孫太郎(輝一)宗匠七回忌の墓参が、句会前の時間に予定されている。



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