2019年8月24日土曜日

秋谷菊野「AIが被曝する日のさるすべり」(現代俳句協会「第25回特別研修会」作品より)・・


選者、左より宮崎斗士・長井寛・松下カロ・伊藤眠↑
会場風景↓


 本日は、現代俳句協会通信俳句会第25回特別研修会(於:台東区民会館特別会議室)が行われた。今期の講師が愚生と伊藤眠。前期が松下カロに山本敏倖である。他に特別選者が「現代俳句」編集長の長井寛と研修部長の宮崎斗士。愚生は、10年前に一度経験させてもらっているが、その時は、先般、亡くなられた大牧広と一緒だった。九州など遠方から参加された方々もおられ、愚生も歳を重ねた分だけ、大事に、有意義に過ごさせていただいた。なにしろ、愚生自身はいっこうに、句が巧くならないけれど、これまで多くの句を見てきたせいか、句を見る眼、句の良し悪しだけは少しは分るようになったような気がする(自賛?)。良い句の方はともかくとして、ダメな句だけは分別がつくようになった。飯田龍太は、自分の句はけなされてもなんともないが、選句をけなされることは許しがたい、と言っていたように思うが、選句には自信と誇りをもっていたのだ。本句会の高点句はいちいち挙げられないが(ちゃんと記録しなかったので)、愚生の選んだ10句(特選はブログタイトルにした)と各選者の一人一句を以下に挙げておきたい。

  この場所もいづれ忘れる葉鶏頭    山﨑加津子
  ざらざらと紫陽花毀れそうな夜     田中朋子
  米軍のフェンスの高さ沖縄忌      飛田伸夫
  これよりは持てぬ軍刀終戦日       〃
  蝸牛あゆむ間違つてはゐない    長谷川はるか
  幻聴だったかも知れない黒揚羽     吉田典子
  家族というシナリオのまま新茶かな   宮崎斗士
  病葉のひと日ひと日に踏んでおこう   磯部薫子
  帆船のリギンの張りや雲の峰      荒井 類

  秋澄んで魚は水を忘れおり       長井 寛
  ラムネ玉ころっと本音反抗期      宮崎斗士
  祭笛つひに琥珀となりにけり      松下カロ
  東京もひとつの地方魂送り       伊藤 眠
  さよなら八月あまたのうらおもて    大井恒行


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