2019年9月19日木曜日

武馬久仁裕「雪だるま武馬久仁裕によくにてる」(『健一&久仁裕の目からうろこの俳句授業』)・・



 中村健一・武馬久仁裕著『健一&久仁裕の目からうろこの俳句授業』(黎明書房)、表紙の惹句に、

 日本一のお笑い教師・中村健一と気鋭の俳人・武馬久仁裕がコラボ!
 目からうろこの面白授業、子どもの俳句の読み方など満載。
 新鮮な気分に包まれる一冊。
 子どもも先生も感動!

 とある。第1章「子どもも先生も楽しい俳句の授業のネタ」を中村健一が執筆、第2章「目が覚めるほど面白い俳句の読み方、楽しみ方」を武馬久仁裕が分担して書いている。中には俳句作りに役立つコラムやパズルもある。子どもに俳句の授業を活き活きと、共に楽しみながらできるノウハウ、ヒントがたくさんある。こうした授業なら、縁のない愚生でも一度はためしたくなる気分だ。愚生がいつも思っているのは、川柳でも俳句でも何でもいいから「とにかく、五・七・五でつくっちゃえ」ということだが、本著は、それをあえて「とにかく五・七・五で川柳をつくっちゃえ」と項目を立てている。本著は実践の書だから、それも仕方ないだろう。武馬久仁裕も述べているが、子どもに「自己紹介俳句を作ろう」と持ち掛けて、盛り上がる授業は想像できる。よい俳句と自分をむずびつけて表現する大いなる切っ掛けになるだろう。小見出しに「ダジャレ五・七・五」「地域カルタ」「会話川柳」「川柳しりとり合戦」など、また「本格的でなくても俳句にしちゃえ」と門戸は広くとってある。
 「おわりに」で中村健一は、

 (前略)一番勉強になったのが、「楽しく学べる川柳&俳句づくりワークシート」。実は、この依頼をいただくまで、私は俳句に興味がありませんでした。また、子どもたちにこだわって俳句を作らせたこともありませんでした。(中略)
 この時勉強したことが私の教師人生に生きています。お陰で俳句づくりの指導は私の特技の一つになりました。
 この本の第1章では、その技をいくつか紹介しています。
 また、第2章は、武馬氏が担当してくださっています。
 特におススメなのは、「こどもたちの俳句を楽しく、面白く、深く読もう」ですね。
 こういう読み取り方をすれば、子どもたちの俳句が生きてきます。そして、こういうふうに読んで褒めてやれば、子どもたちはますます俳句づくりが好きになるでしょう。

 と記している。俳句授業をされている皆さん、一度手にとられてはいかがだろうか。

   福笑い 中村健一 大笑い
   桜咲く 安本直和 誕生日
   ひまわりの 田村良助 背を超えた
   クリスマス 佐藤絵里香は 早起きだ

 中村健一(なかむら・けんいち) 1970年山口県生まれ。
 武馬久仁裕(ぶま・くにひろ) 1948年愛知県生まれ。




★閑話休題・・・志鎌猛展(名古屋・於 Idumi Art Gallery) 9月17日(火)~10月1日(火)10時~18時・・会期中無休。 


 黎明書房と名古屋つながりで紹介する。志鎌猛の案内状に、「さて、私はこの秋、名古屋にて初の個展を開催していただくことになりました。森の襞ーSilent Respiraition of Forests. うつろいーEvanescence、観照ーContemplation:京都・奈良の三つのシリーズより、未発表作品も交え展示いたします」とあった。場所は

   Idumi Art Gallery 
   〒467‐0028 名古屋市瑞穂区初日町2-13 TEL052-833-1231 
   http://idumi-garo.com

 いづみ画廊では新たな取り組みとして、古典的写真技法によるプラチナプリント作品をご紹介させていただく運びとなりました。日本画の支持体として馴染みのある雁皮紙に、独自に調合した感光剤を刷毛で塗布して印画紙を手作りし、撮影されたネガフィルムから拡大ネガを作成し印画紙と密着させ画像を焼き付ける。プラチナプリントは、デジタル全盛の時代に逆行するかのような滑らかなグレーの色調は一点ものとも言うべき詩情的な表情を醸し出します。

 志鎌猛は、愚生の若き日からの友人です。一見の価値あると思います。お近くの方は是非ご覧になっていただきたい。海外での評価が高いようで、この展示のあとは、

 香港 10月4日~7日:Fine Art Asia
 パリ 11月6日~10日:Paris Phto  

のフェア出展ともあった。

志鎌猛(しかま・たけし) 1948年東京生まれ。



           撮影・葛城綾呂 伊達男↑

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