2019年1月1日火曜日

久松良一「鏡に映ったこの笑顔 今日の顔にしよう」(「原点」第2号より)・・



「原点」第2号(口語俳句振興会、編集発行・主流社)は、第一回口語俳句作品大賞決定に関する選考評に多くが割かれている。113編の応募があり、第一次で15編、第二次選で11編、第三次選は11編のなかから昨年11月3日、島田市・プラザおおるりで選考を行った(欠席委員は事前に選評を提出)とある。選考委員長は金子勝。選考委員のひとり前田弘は、以下のように評しているのが印象に残った。

  (前略)最終選考会議では、「長い夢」を一位に推した。新鮮な感動がいつまでも持続する。
  まなざし注ぐだけの佛が好きだ    本間とろ
  風呂釜のような友あらわれる
  ずいぶん長い夢見た夜のグラスの水
等、口語俳句作品大賞の第一回を飾るにふさわしいフレッシュな詩性が魅力であった。(中略)全作品が無季であることに気が付かなかった。とうに季語は俳句の必要条件ではなかったのだ。俳句として違和感がないどころか、従来の俳句にはない詩性に無意識のうちに触れていた。
 
 授賞式は、来る1月19日(土)午後1時、島田市「プラザおおるり」にて、「主流新年俳句会」席上で開催される予定。
 以下に、受賞者一人一句を挙げておこう。

  死神に目こぼしされたまま生きて酒のむ   久松良一(作品大賞)
  無気力な足あとがはがれない        鈴木瑞穂(奨励賞)
  空をぐいぐいひっぱる雲がある       本間とろ(奨励賞)
  この春離農うすうす気付いている地下足袋  鈴木和枝(奨励賞)


ちなみに選考委員は、秋尾敏、安西篤、飯田史朗、上田次男、大井恒行、金澤ひろゆき、金子徹、岸本マチ子、田中陽、谷口慎也、前田弘、吉田健治の12名。

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