「俳句倶楽部」(1990年12月号・福武書店)↑
一昨日1月17日(木)は第187回遊句会(於:たい乃家)だった。兼題は椿・初笑い・目刺し・当季雑詠。句会場のスナップを撮り忘れてしまったので、先日倉庫より偶然に発見した(愚生は忘却の彼方・・)「俳句倶楽部」(1990年12月号・福武書店)の「現代俳句の最前線」のコーナーで、かたや森澄雄・・で見開きページに載っていたものを自慢?に写真に撮ったものを掲載しておきたい(要するに自己宣伝です・・)。
以下に一人一句を挙げておこう。
目刺焼く二丁目のバー宵の口 石原友夫
羽音たて落ちてなほ咲く椿かな 加藤智也
寄席盛(よせさか)る憂(う)き世逃れて初笑ひ 川島紘一
北国へ椿運びし海の道 渡辺 保
満願の皺や白寿の初笑い 中山よしこ
みくじ”凶”顔見合わせて初笑い 前田勝己
逝く時はコロリがいいね椿花 天畠良光
風に押されし椿吸い込む海の碧 山口美々子
老猫のよだれ我身や初笑い 石川耕治
初笑い柴の仔犬の耳笑う 植松隆一郎
昭和とは土光敏夫の目刺かな 村上直樹
笑いにもランクがあって初笑い 原島なほみ
めざし焼くのれんの奥の中国人 春風亭昇吉
落椿三島由紀夫の首のごと 武藤 幹
現場から落ちた椿の画像来る 山田浩明
50回目の初笑い認知症 林 桂子
目刺し焼けば移る炎や姉夫婦 大井恒行
次回は2月21日(木)、兼題は春の雪・浅蜊・チューリップ・当季雑詠。
撮影・渡辺保、広島平和公園にある原民喜の詩碑↑
★閑話休題・・原民喜「戦慄のかくも静けき若楓」(『原民喜』より)・・
梯久美子著『原民喜』(岩波新書)、本書の中に、
千葉時代の原は小説のかたわら、精力的に句作を行った。(中略)「原杞憂」という俳号で投句を始めた。同誌(愚生・註、宇多零雨「草茎」)への投句は一九三八(昭和十三)四月までがだ、句作自体はその後も続けている。
と記されている。また、「戦慄の・・」の句は、原爆を連想させるが、「昭和二十年の初夏、疎開先の岩手県で義弟の佐々木基一が受け取った葉書」(同書)に書かれていたものである、という。上掲の詩碑の写真は、遊句会の渡辺保が帰広した折りに撮ったといい、「もともとこの詩碑は、広島城の旧陸軍第5師団跡の近くに建てられていたのですが、いたずらで、くずおれていたのを、遠藤周作ら友人たちの尽力によって、いまの場所に再建されたのです」と便りにしたためられていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿